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舌をチラっと出し、粥をふーふー冷ます姿は
本当に猫みたいで微笑ましい。
数分前に、ふーふーして?♡と頼まれたが
案外元気そうだった彼にそれは不要だと判断し丁重にお断りさせていただいた。
随分時間が経ち、冷めた粥を見事完食したローレンさんにホッとした。
料理下手が作った粥が受け入れられたこともそうだし、
食欲がないと言っていた彼がペロリと完食してくれたことに安心した。
薬は飲みなれているようで、水と一緒にすんなりと飲んでくれた。
顔は赤いし、咳は出る典型的な発熱症状だが
身体が痛いとか、意思疎通が出来ないほど辛いとかそんな様子はなく
彼の中ではあまり辛い部類に入らない発熱なのだろう。
ありがとう、美味しかった!と笑う彼からお盆を受け取り、あとは寝るだけですね。と布団を掛けた
『あとは寝るだけでしょうし、私はそろそろお暇します』
「・・・え?」
『思ったより元気そうですが、無理しないように』
「っ、か、帰んの?」
信じられない様子でこちらを見てくるが、
一通りの看病というものは終わったし
私が居たら寝にくいだけだろう。とそのまま彼に伝えると
ふーーーん?と布団を握り締めて拗ねたようにそっぽを向いた。
・・・どうしたものか。
『・・・貴方は帰って欲しくないと?何の関係もない私が?』
「ウッッ」
『恋人でも家族でもない、関係の無い私に?帰って欲しくないと?』
「・・・か、関係無いとは・・・その言ったような言ってないようなだけど、そんな・・・その深い意味は・・」
布団をぎゅっと握り締めてそっぽを向き続けるローレンさんと、
お盆を持ち 立ったまま圧をかける私
圧をかけるコンビニ店員と、圧をかけられるコンビニ常連客・・・
そう考えると非常に可哀想だ。
うーん、と悩んだ末 お盆をベッド近くのサイドテーブルに置き
布団をぽんぽんと叩くと、ローレンさんがゆっくりとこちらを向いた。
「・・・か、帰らない・・?」
『今は夕方ですし、夜まで居ます』
「?泊まってけば良くない?」
『恋人でも家族でもない女性が男性の家に泊まるのはどうかと』
「??恋人んなれば良くない?」
『帰りましょうか?』
「冗談だもん・・・」
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。どろ(プロフ) - とさかさん» とさか様、コメントありがとうございます!ちょっとメンヘラ意識してたので気づいて頂けて嬉しいです…!応援ありがとうございます! (3月13日 11時) (レス) id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
とさか - とってもおもしろいです‼ちょっとメンヘラな所、最高です。 更新楽しみに待っています! (3月11日 18時) (レス) @page22 id: 7dfc9e770a (このIDを非表示/違反報告)
。どろ(プロフ) - ひかりさん» ひかり様、コメントありがとうございます!これからも更新頑張っていきます! (2月15日 0時) (レス) @page17 id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 素敵です!!続き楽しみにしてます! (2月12日 18時) (レス) @page16 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
。どろ(プロフ) - こあらさん» こあら様、コメントありがとうございます!そして気づいてくださりありがとうございます。誤字脱字にあまり気づかず・・・こあら様が教えて下さり助かりました!応援ありがとうございます! (2月7日 7時) (レス) id: 474271a7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。どろ | 作成日時:2024年1月28日 19時