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ようやく午前の授業が終わって、速攻階段を駆け上がる
もちろん雪ちゃんも連れて
『 よかった…開いてる… 』
「 昨日は先生が鍵かけてたからね〜 」
そう、私たちは秘密で屋上に侵入してご飯を食べる
晴れの日の空が、独り占めできる感じがするから、好きなのだ
「 ねね、今日も蓮ちゃんの卵焼き…いい? 」
『 ほんとすきだね、いいよ 』
わたしが作る卵焼きが大好きらしい、美味しいって
雪ちゃんが口に含んだときの顔がまたかわいいのだ
『 作り方、教えるのに 』
「 蓮ちゃんはわかってないな〜 蓮が作ったのが良いの〜! 」
ほら、こういう所 かわいいでしょ?
蓮って呼び捨てにして、これで彼氏がいないのは嘘じゃん
「 えー生徒のお呼び出しです、如月 蓮至急校長室に来るように 」
『「 え 」』
それは唐突だった、雪ちゃんかわいいな〜って思ってたのに
記憶を漁ってはこれかこれかと思い出すが、見当はつかない
「 とりあえず、行く? 」
『 そーする、帰ってこなかったらそれ食べてて 』
はーい、って、雪ちゃんが返事をしたのを聞いて階段を降りる
変な汗が流れてはマイナスに考えることしか出来なかった
『 失礼します、校長先生、如月です 』
「 入って 」
中に入って更に心臓が加速し始めた
だって…教頭、担任、学年主任、みーちゃん(保健の先生)、勢揃いだもん
『 あのー…わたし、何か…? 』
「 如月くん、君には大変失望したよ 」
屋上に勝手に入ったから…?それともテストの点数か
いや、どちらも悪いけど毎回注意で済まされてたしな…
「 如月、これに見覚えはないか? 」
「 蓮ちゃん…ほんとのこと、話して…? 」
目の前に映し出される映像は、何処かのコンビニだ
そこには間違いなくわたしが映っている
そして、店内に入り商品棚の前をうろつく
数分歩いたあと、缶を手に持つと、
ポケットに、入れた
『 ちょっと待ってください!私じゃないですよ!! 』
「 でも…これは間違いなく蓮ちゃんの姿だよね…? 」
『 みーちゃんまで…本当に違うんです、信じて… 』
先生は何度か視線を交わすと、崩れ落ちた私の肩に手を添える
「 残念だが、見逃すことはできない 」
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作者名:蓮。 | 作成日時:2021年10月19日 15時