其ノ肆拾漆 死の覚悟 ページ47
殺す……ために……?
そう思った瞬間、生贄の2人が消え、青い光が光り出す
愛華「う……」
光の眩しさで目を眩ませた時、左腕の傷が猛烈に痛み始める
愛華「っ!!ううっ……!」
クウ「愛華ちゃん!?」
クウちゃんの大きな声で、多くの妖怪達がこちらを見る
愛華「はあっ……はぁ……!」
一方私は少しの余裕はあるものの、気を抜けば腕が千切れてしまいそうなくらい痛い
カル「愛華ちゃん大丈夫??」
キル「……そうか!守り神へ与えられた生命の力がこの寄生した妖怪にも移ったんだ」
ウミ「それにより急激な成長を遂げている……」
愛華「っ……」
言葉さえ出なくなってしまった。汗も大量に出ている。なんとか前を見た時、沢山の妖怪達が怒りを露にしていた
「人間……」
「ニン……ゲン……」
「人間滅ぼす……」
ここの森の妖怪達は、人間に森を焼失させられそうになった
私に、人間の私に怒りをぶつけるのは……当然だ
家族を、家を失うのは、とても辛いことだから。
クウちゃんっ……!!
クウ「な、なに?」
私を妖怪達から庇っている4人は既に戦闘態勢に入っていた
お願い。今声が出ないの。私の代わりに私の意志を伝えて
クウ「で、でも……」
ウミ「よせ。今のアイツらには何を言っても変わらねぇ」
いいんです……っ!!
ゆっくりと痛みに耐えつつ前に進む
ウミ「やめろ!死ぬぞ!」
たとえここで死んだとしても、何もしないで死ぬより私のできることをやって死んだ方がマシです!
ウミ&クウ「!!」
妖怪達の目の前に立つ
クウちゃん、お願いします。
クウ「皆さん、家や家族を奪われそうになり、人間に怒りを向けるのは分かります。だけど聞いてください。私は妖怪に家族を、家を奪われました。怒りたいのはこっちです。貴方達は守り神さん達がいたから助かったものの、私には守り神なんていない。全てを失ったんです」
「それがなんだ!」
「人間の都合など知らん!」
クウ「分かってます。人間が人間の事しか考えないこともない謝ります。殺すならどうぞ殺してください……え!?ちょ、愛華ちゃん!」
大丈夫……私死ぬ覚悟は出来てる
多分。
……ここで死んでもいいのかな
覚悟したはずなのに、怖くなってくる
目の前には既に1人の妖怪
愛華「っ……!!」
黙って目の前にいる妖怪は大きな爪で私を切り裂く
愛華「うあっ……!!」
切り裂かれた傷よりも腕の痛みのほうが痛かった
髪の毛を掴まれる
「最期に言いてぇことは?」
爪を首元に当てられ、妖怪はそう言葉を告ぐ
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ムーンナイト-moonnight- | 作成日時:2018年1月21日 0時