其ノ肆拾陸 守り神の復活と寄生 ページ46
「復活の儀が始まるぞ!」
「祭壇へ急げ!!」
祭壇の周りには多くの妖怪達がいた
鈴がシャラランと鳴ると、2つの祭壇の真ん中に月が立ち、片方の黒い手袋を外して何かの呪文を唱える。すると2つの祭壇が青白く光り出し、右の祭壇の前に大きな蜘蛛の姿。左の祭壇の前に綺麗な女の人の姿が現れる
「雫様!」
「雅様!」
多くの妖怪達は個々に2人の名を叫ぶ
あれが、この森の守り神、雅さんと雫さん……
月「今宵は満月の夜……守り神復活には相応しい」
ニヤリと笑った月の横に2人の妖怪が現れて
月「なァ、お前達。此奴等に感謝しろよ……?この二人がこの森を守るんだぞ」
笑っていたはずの月の顔はまるで軽蔑したような目で目の前にいる妖怪達を見る
愛華「どういう事ですか?」
クウ「愛華ちゃん。世界は思うほど綺麗な世界じゃないんだよ」
愛華「?」
クウ「あの2人は生贄。1日だけ守り神を復活させるためだけのね」
愛華「え……?」
生贄?あの2人が……?
カル「2人みたいな大妖怪ともなると、1日だけ復活させるだけでも、生贄が必要になるんだ」
愛華「そ、そうなんですね……」
残酷な世界……
いや、これは序の口なのかもしれない
もっと怖くて残虐なのかもしれない
私には耐えられるだろうか
そんな不安を抱いてる中、腕に痛みが走る
愛華「う……」
クウ「どした?」
愛華「い、いや……左腕がなんか痛くて」
キル「見せてみろ」
そう言われて腕を見せる
キル「これは……」
自分の腕を見れば、斬られたような傷跡。
だけど普通の傷跡とは違い、傷の色は真緑だった
愛華「き、気持ち悪……」
鳥肌が瞬時に立つ
キル「寄生型の妖怪だな……」
愛華「え!?妖怪!?」
キル「恐らくな。まあ私も寄生型は専門外だ」
カル「俺達も。危険か危険じゃないかさえ分かんねぇな」
愛華「えっ!?」
ウミ「体調は?」
愛華「大丈夫です。ただ、少し痛いくらいで」
カル「うーん。ゆっくりと中から喰っていくタイプかな?」
愛華「う、嘘ですよね……!?」
クウ「実際笑えないよ。ワンチャン愛華ちゃんの命の危険に晒されてるんだからさ」
み、みんな目がマジ……
ウミ「いつ寄生されたか分かるか?」
愛華「……あ、た、確か……ここへ向かってる最中に、針で刺されたような痛みが……」
ウミ「なら、"寄生させられた"っていう線もあるな」
愛華「させられた?」
ウミ「寄生型の妖怪は、他人から色々な生物に寄生させることが出来る。もしかしたら、誰かがお前を殺すために、寄生させたのかもな」
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作者名:ムーンナイト-moonnight- | 作成日時:2018年1月21日 0時