其ノ参拾 嫌な記憶 ページ30
キル「王子はなんでも出来て当たり前って事だ。若様には欠点が少ない」
愛華「へえ……」
食べ進めながらそんな他愛もない話をする
完食
愛華「はーっ、美味しかった〜。ご馳走様！リンちゃん」
リン「お粗末さま」
カル「あ〜、ツッキーとアルが帰ってくるまで暇だな〜……そーだ、なんか愛華ちゃんやりたい事ある？」
愛華「急な無茶ぶりですね……あ！この館の案内とか？」
カル「いいね〜」
クウ「でもさ？一日じゃ終わらないよ？」
愛華「えっ？」
クウ「見ての通り、大蛇の館は館と言えども城に近いからね。縦にも横にも広い。しかも庭もあるからまあ全部の案内に丸々5日は欲しいかな」
愛華「い、5日！？」
カル「この山私有地だからね」
愛華「逢坂区の3分の2が私有地……」
クウ「ここで読者の皆様に説明しよう！逢坂区(あいさかく)、ついでに神牙町(かんがちょう)とは、僕らの世界にある地区だね！皆様に簡単に伝わるように言えば……架空の地区！神牙町はその逢坂区にある町の名前。皆様の世界には無い地区と町の事だよ〜
以上クウシーク･ドラゴンによる血と人間と妖怪の腐れ縁……長いな。うーん、血腐(ちぐさ)！血腐のメタい説明を終わりマース」
カル「え、何今の尺。俺達30秒くらい固まってたんだけど」
クウ「さあね〜」
愛華「まあ……5日かかっても今回らなかったらそれ以上かかってしまうし……少しでも回っちゃいましょう！」
カル「お〜流石"竜ノ巫女"だねぇ〜」
キル「なんだそれ」
愛華「竜ノ巫女……？」
カル「ほらほら、俺達に異名があるように、愛華ちゃんにあってもいいじゃん？ちなみに愛華ちゃんのは〜。日本名でドラゴンは竜ノと名乗るからだよ〜」
リン「単純」
愛華「異名があるんですね……」
キル「異名は追々分かると思う。自分が名乗って悲しい異名がついたやつもいるからな」
愛華「そう……なんですか」
少し昔の記憶が蘇る
私は昔、バレーをしていて、中学では中々有名なリベロとして活躍していた
テレビや新聞にも、多く出た
そして誰もが私を「天才」「守護神」と呼び、名前で呼んでくれなくなった
私はそれが大嫌いだった
両親がくれたこの名を呼ぶ人がどんどん少なくなっていくのが、悲しかった
キラ「愛華様、大丈夫ですか？」
愛華「え？あぁ……大丈夫です。とりあえず、案内お願いします」
キラ「私達が行く必要無い。カル、クウ、行け」
カル「へいへーい」
クウ「おーけー」
愛華「行ってきます」
そうして私とクウちゃんカルさんは食の間を出る
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作者名：ムーンナイト-moonnight- | 作成日時：2018年1月21日 0時
