検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:1,985 hit

其ノ拾陸 帰り道 ページ16

獅子丸「ほぉ……なかなか珍しい人間の娘じゃな」
月「ならば戻ろう」
愛華「え?」
月「俺もお前も、家族として両方を認めた。なら館へ戻ろう」
月が差し伸べる、黒い手袋をした手は、私を何故か安心させるような手で
手を取れば、背筋が少しゾッとするような冷たい手で、まるで体温など無い、死人の手のようだった
愛華「冷たい」
そう呟くと、月は少し我に戻ったような顔をして
月「すまない。俺には体温が無い」
愛華「大丈夫。行こう」
月「……そうだな」
獅子門「……月殿。少しは頼られよ」
月「嗚呼。危険な時は愛華を頼む」
獅子丸「(そういう事では……無いだろう)」

日本橋を出た私と月は竜神山に戻り、2人で夕陽で紅く染まった竜神山の山道をただ黙って歩いていた
私は竜神山に入ったのは初めてだから、ちょっと怖かったけど興味津々だった
そして月が口を開く
月「……周りを見渡して楽しいか」
愛華「楽しいよ。私この山入るの初めてだもん」
月「滅多に人は寄らないからな」
愛華「人がこの山に入ると、神隠しにあうって話だからね」
月「大体はウチの妖怪達が連れ去ってくるか、この山で遭難し、知らぬ間に死んでいる場合か」
愛華「死んじゃった人もいるの?」
月「いる。俺達が見つけた時は既に腐敗していた」
内容がエグいよ……
月「慣れろ。俺と家族になる事は死を幾つも目の当たりにする」
愛華「頑張る」
月と一緒になるってことは、怖い事になるって分かっていた
月「愛華、目を瞑れ」
愛華「え?うん……」
言われた通り目を瞑る
月「着いたぞ」
目を開き、前を見ると、大きなお城があり、今私達が立っているのはそのお城の前の立派な門だった
月「俺達の家。大蛇の館だ」
愛華「す……すごい……」
心から感動した私には、語彙力などなかった
前に来た時は既に中だったから……
月「二人共、開けろ」
いつの間に立派な門の両端には首のない甲冑が立っていた
愛華「妖怪?」
月「デュラハンと言ってな、首を手に持つ妖怪……妖精だ」
そう言われて見ると、確かに手元には首を持っている
月「右がルル、左がロロだ」
ルル「私はルル。よろしく。門を開ける時は向こうのクソ野郎じゃなくて私に言ってくれよな」
手に持っている首がそう話す
ルルさんはとても美人な女の人
ロロ「ロロだ。門を開ける時は向こうのクソアマじゃなくて俺に言えよな」
ロロさんは雰囲気凄く怖い感じの人
……二人共仲悪いのかな
月「悪い奴らでは無い」
愛華「うん……」
少し、これからを心配した

其ノ拾漆 家族→←其ノ拾伍 覚悟



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ムーンナイト-moonnight- | 作成日時:2018年1月21日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。