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其ノ拾伍 覚悟 ページ15

愛華「っ……」
私は静かに泣いていた
お母さんは私を守ってくれた
私は今まで私だけを置いていった両親を愛しながらも心のどこかで恨んでいた
私は哀れなんだと思った
孤独なんだ。私は
獅子門「人間の娘」
愛華「はい……」
獅子門「其方は1人ではない」
愛華「え……?」
獅子門「其方が今、1人だと孤独を感じているのであれば、それは間違いだろう」
愛華「?」
獅子門「お前には月殿という味方がおる」
愛華「え……?」
孤独と感じたのは本当だけど……月が……何?
月「遠回しに聞くのは面倒だ。愛華、俺の家族になれ」
愛華「え!?」
もしかしてそれってプロポーズ!?
月「俺と共に、お前の両親を殺した妖怪を倒そうぞ」
愛華「あ、え?」
月「……?俺の家族になって、お前の両親を」
愛華「復唱しろって言ってんじゃなくて!え?妖怪?なに?」
獅子丸「月殿は、本当は血は繋がってない妖怪を『家族』にするのじゃ」

ちょっとよく分からない
獅子丸「人間で言う、養子、みたいなもの。身寄りの無い妖怪を拾って家族にして下さる」
愛華「そうなの!?」
月「仲間とも言えるが、俺はそれ以上。皆家族だ」
獅子門「月殿は家族が少しでも傷付けられると鬼のように怖くなる」
月「余計な事は言うな」
愛華「そうなんだ……え?じゃあ、父と母を殺した妖怪って?」
月「……コウ、と言う名の妖怪。俺の、双子の妹だ」
愛華「え……!?」
月「申し訳ない事に、俺の妹が」
じゃあ、獅子丸さんの話に出てきた子供って言うのが……
獅子丸「逆に申せば、月殿のように人間好きな妖怪は本当に数少ないのだ」
月「俺の妹は、人間嫌いな訳では無いが……ある一部の人間だけが嫌いなんだ」
愛華「もしかして、話の中に出てきた、土方?」
月「あぁ。土方、近藤、沖田、斎藤……これらの血筋は、殺すような奴」
残虐な妹さん……
月「勿論。そんなやつの兄だ。一緒にいれば何するかわからないと不安を抱くのは普通な事。だから、巫女の話と共に返事を貰いたい」
そっか。そんな話もあったっけ
月の言う通り、お母さんとお父さんを殺した人のお兄さんだなんて、少し驚いたけど
でも、月はいい人だって、まだ出会ってまもないけど、言いきれる
私の本能がそう言ってる気がするの
愛華「……ううん。私、月の家族になるよ。巫女にもなるよ。父と母を殺した妖怪を倒したい
昔から霊や妖怪が見えて、変人扱いされてるこんな私を、求めてくれる人と一緒にいたい
私も、

月が好きだから」

其ノ拾陸 帰り道→←其ノ拾肆 真実



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作者名:ムーンナイト-moonnight- | 作成日時:2018年1月21日 0時

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