下らない話。 (ページ25)

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シュヴァルツと花吐き病患者な指揮官ページ25

あなたサイド

「花吐き病だな。」
『え？』
「嘔吐中枢花被性疾患。事例は少ないが、なかったわけじゃない。治し方もちゃんとある。」

え、なに、この世界って一応花吐き病あるんだ。
資料らしい紙の束を読んで、大丈夫だ、と仏頂面で言うシュヴァルツ。

「昔から流行ったり流行らなかったりを繰り返してるらしい。吐いた花は他のやつに触らせるなよ。」
『あ、はい。』
「感染るらしいからな。好きなやついるのか。」

うん、まあ、と言葉を濁すと、誰だ。と表情を変えずに聞いてくるから、言いたくない、と首を振ると少しだけ眉を寄せた。
なんたって目の前にいる彼だから。

「片思いが拗れると発症するらしい。さっさと治すなら両思いになることだな。」

あなたが原因ですけどね。と言いたくなるが言わない。
とにかく吐いた花を触らせるなよ、と念押しされて頷くと満足そうな顔をした。

『多分叶わないから治らないと思うよ。』

そう言うと途端に苦しそうに顔を顰めるシュヴァルツ。
うわ、そんな顔すんだ。初めて見た。
とか思ってたら気管を塞ぐ花びらに咳をすると無言で隅っこにあったゴミ箱を持ってきてくれた。この中に吐けと言うことでいいのだろうか。
でも顔はやっぱり苦しそうな顔のまま。

『ん、…諦めがついたら治るかな？』
「……片思いが叶う以外の治療法は見たことも、聞いたこともない。」

だよな、と笑うと少しだけ泣きそうな顔になった。

『死んだりしないなら大丈夫かなー、』
「花びらで窒息だけはやめてくれよ。」
『了解です先生。』
「…はぁ、わかった。もういい。なにか異常があったらすぐ来い。わかったな。」

再度、了解です先生、と言ったらまたあの少し眉を寄せたいつもの顔になった。