悪魔の子と人魚 ページ10
sideジェイド
暫く顔を覆ったかと思ったらアズールは学園長室へ行くと言ってVIPルームを出ていき、次いでフロイドも出て行った。フロイドはあれで聡い所がある
『あの！』
…というのはさておき、2人ともあまりにも無責任では？僕とこの子を置いて行くのはどういう事です？
『僕、何時までここにいれば良いですか？』
「そうですね……2人が戻って来るまで居て貰えたら」
『はぁい』
僕の言葉に素直に頷いたA君はソファの上で足をパタパタと動かす。入学式には寮長以外は参加しませんし、他学年の生徒との関わりなど無いに等しい故に気付きませんでしたが……なるほど、これは確かに…稚魚ですね。一番小さいサイズの制服も裾と袖が余っている。顔もあどけなく、時折見せる仕草も幼かった
「…」
暇を持て余している、といった様子。こういう時フロイドがいれば良いのですが行先も告げず出て行ってしまいましたし…
「…そういえば、先程仰っていたお師匠様とはどのような方なんですか？」
『お師匠様ですか！？』
とりあえず場を保つ為に質問してみれば、彼は明らかに顔色を変えた。尖らせていた唇を上に持ち上げ、瞳を輝かせて此方を向く。あ、やめてください、そんな眩しい瞳を向けないで
『お師匠様は僕のお師匠様です！強くてかっこよくて、優しくて、すごい悪魔なんですよ！』
「そうなんですねぇ…………え、あくま？」
『はい！僕もいつかお師匠様のような立派な悪魔になるんです！』
「立派な…あくま…？」
『はい！』
ニコニコと眩しい笑顔を浮かべ頷く彼に…何度も言うが嘘をつけるとは思えない。であれば幻聴か、と2度確認してもA君は"あくま”という単語に肯定を示す
『…あ！…ジェ…イド……？先輩…？』
「あぁ、はい、僕はジェイドですよ」
『先輩は悪魔見た事ないんですか！』
「ある訳ないでしょう」
何言ってるんですかこの子、反射的につっこんでしまいましたよ。かと思えば徐に制服の上着を捲り上げギョッとしている僕に背中を向ける。何かと思った僕はその背を見て思わず息を飲んだ
『じゃあ見せたげます！』
明るく言った彼の背中には翼の様なものが折り畳むように生えていた。黒い翼…そして、頭に生えた小さな角。先程フロイドが話した言葉…自身を投げ飛ばしたという話に信憑性が増し、彼がこの学園に入学する資格を与えられた理由を理解してしまう
(……これが悪魔、ですか)
そして、それとほぼ同時に彼に対する好奇心と恐怖が湧き上がり思わず口元に笑みが零れた
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(^^) - てぇてぇ (3月30日 4時) (
レス) @page36 id: 4e37b35646 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 夜宵依さん» コメントありがとうございます！教師陣がかっこいいと言って頂けて嬉しいです…！是非ぜひ、ツイステの方も面白いので見てみてください！ (9月3日 23時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - ヴァターシさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けるととても嬉しいです！更新頑張ります (9月3日 23時) (レス) @page30 id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵依 - 教師陣かっこよすぎます……！！ツイステは見たこと無かったのですがこの作品をきっかけに見てみようかな、と思いました(*^^*) (8月24日 22時) (レス) @page30 id: 8ca662a052 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァターシ - イフリート先生やダリ先生、オペラ先生がかっこよかったです。これからの更新頑張ってくださいね (8月7日 19時) (レス) @page30 id: 60d9cbf677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年4月20日 22時
