恐れ知らずな悪魔の子 ページ5
所変わってNRC。師の状態など知る由もない悪魔の子は体育館の床を蹴る靴の音に惹かれるように入口を覗き込む
『…確かここが…ばすけっとぼーる』
ポツリと呟いた彼の視線の先にはバスケ部の姿。部員達は各々に練習していた。ゴールを決めるもの、1体1でミニゲームをしているもの、端に座り話しているもの…等々、彼等は自由に過ごしている
「あれ、A?何してんの?」
入口から眺めていれば体育館の中から声が聞こえた。Aが其方を向けば、真新しい運動着に身を包んだ生徒がボールを持って此方を見ている
『トラッポラ君!』
「エースでいいって。もしかしてお前もバスケ部入る?」
『んーん……まだ見てなかったなーって思って来てみただけ』
「嘘でしょまだ部活見学してんの!?」
『うん』
ギョッとしたように叫ぶ彼はエース・トラッポラ。Aと同学年の生徒であり、件の監督生とよくつるんでいる子だ。どうやら彼はバスケ部に決めたらしい
『…気になったから見てみたけど…なんか、合わないかなぁって』
「あー……まだ本練習始まってないからな…今はなんていうか……んー、お前に分かりやすく言えば、休憩中みたいな」
『ふぅん…そうなんだね』
「あ、お前。その興味なさそーな返事!本当にお前って喜怒哀楽わかりやすいよな」
『んっふふー』
「いや褒めてないから。その得意げな顔やめな?」
『休憩中ならお話しよー、あのね、今日ねー』
とことんマイペースな奴だ、とエースは内心呟いた。ニコニコと笑顔を浮かべる目の前の生徒は自分よりも幾分か背丈が低くどこか幼さがある。人畜無害そうなその笑顔はとても同年代とは思えないが…サバナクロー寮の寮長が被害を受けていると噂を聞いてなんとも言えないのだ
『それでね』
「ウゼェ、ジャマ」
暫くエースと会話を繰り広げていたAの背後に冷たい声が投げられる。エースはサッと青ざめAの背後に居る人物に謝罪を述べるが当の本人は狼狽える事無く己の背後を振り返った。そこには自分の背丈の2倍はあろう男が此方を見下ろし立っており、左右で色の違う瞳には明らかな邪険が含まれていた
『……』
「アハッ、なぁにその目…お前に言ってんだよ、ジャマ」
『入口を塞いですみませんでした。でも初対面の相手に対して邪険そうな目はやめた方が良いです』
「あ?」
『お友達出来ませんよ……うんと…お名前は?』
明らかに機嫌を損ねた大男相手に悪魔の子は恐れる事無くそう言った
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(^^) - てぇてぇ (3月30日 4時) (レス) @page36 id: 4e37b35646 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 夜宵依さん» コメントありがとうございます!教師陣がかっこいいと言って頂けて嬉しいです…!是非ぜひ、ツイステの方も面白いので見てみてください! (9月3日 23時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - ヴァターシさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるととても嬉しいです!更新頑張ります (9月3日 23時) (レス) @page30 id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵依 - 教師陣かっこよすぎます……!!ツイステは見たこと無かったのですがこの作品をきっかけに見てみようかな、と思いました(*^^*) (8月24日 22時) (レス) @page30 id: 8ca662a052 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァターシ - イフリート先生やダリ先生、オペラ先生がかっこよかったです。これからの更新頑張ってくださいね (8月7日 19時) (レス) @page30 id: 60d9cbf677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年4月20日 22時