目覚めた悪魔と教員達 其の二 ページ14
sideクロウリー
あの爆発音が生徒の悪戯ならばどれほど良かったか。誰も怪我をせず、何時ものようにヘラヘラと笑って、けれど叱られれば「すみません」とちゃんと謝る生徒達が此処に居たならどれほど良かっただろうか
『僕、おなかすいた』
「…そうですか、キミはお腹が空いたんですね」
『おなかすいたの』
「だからといって…アレは見過ごせませんよ」
駆け付けた先に居たのは、先日アーシェングロッド君から申し立てのあった手違いの入学者。まだこの学園に通う年齢に達していないにも関わらず入学許可書を与えられた…この学園の門を潜る事を許された、12歳の小さな子ども。けれどその子は平時と違い、背中に黒い翼を生やしていた
クルーウェル「……まるで悪魔だな」
隣で教鞭を構えるクルーウェル先生がポツリと呟いた言葉に私は静かに瞼を伏せる。違いますよ、と言いかけて…その言葉を呑み込んだ。まるで、ではなく…この子は正真正銘本物の悪魔だ。古い文献に記された…悪魔である者の特徴…それが今目の前で此方を見上げる小さな子供に幾つか当てはまるのだ
(……いざとなったら…私が)
拘束魔法で留めているが、この子は全て避けてしまう。翼を広げ空を飛び回り、かと思えば度々此方に鋭く尖った爪を振り下ろす。明らかに殺意の籠った攻撃…クルーウェル先生はその度に応戦しようとするが相手が生徒である故に、その手を止めている
「クルーウェル先生、多少の攻撃は仕方ありません。先程も言った通り手加減だけはしないように」
クルーウェル「了解です」
然しそれでもまだこちらに分があった。2対1、大人と子供……私の指示に頷いたクルーウェル先生は攻撃魔法も織り交ぜながら徐々にA君の体力を削っていく。私は広範囲に結界を張り、他の生徒達がいる校舎へA君を向かわせない様にと退路を断つ……やがて体力が尽きてきたA君は見るからに動きを鈍らせていき、数十分後に漸く拘束する事に成功した
「……このまま学園長室へ。事情を説明して貰いましょう」
クルーウェル「俺に運べと…」
「えぇ、私はリーチ君の容態を確かめてから向かいますので！」
クルーウェル先生に明るく言えば、彼は一度頷きA君を連れて先に学園長室へと向かった。小さな悪魔の口元に付着していた血液に、傷だらけのリーチ君……どうか杞憂であってくれと願いながら私は医務室へと足を運んだ
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(^^) - てぇてぇ (3月30日 4時) (
レス) @page36 id: 4e37b35646 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 夜宵依さん» コメントありがとうございます！教師陣がかっこいいと言って頂けて嬉しいです…！是非ぜひ、ツイステの方も面白いので見てみてください！ (9月3日 23時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - ヴァターシさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けるととても嬉しいです！更新頑張ります (9月3日 23時) (レス) @page30 id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵依 - 教師陣かっこよすぎます……！！ツイステは見たこと無かったのですがこの作品をきっかけに見てみようかな、と思いました(*^^*) (8月24日 22時) (レス) @page30 id: 8ca662a052 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァターシ - イフリート先生やダリ先生、オペラ先生がかっこよかったです。これからの更新頑張ってくださいね (8月7日 19時) (レス) @page30 id: 60d9cbf677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年4月20日 22時
