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3 Barking dogs seldom bite. ページ3

次の日、妙な噂のせいか、
未明、ジパングの船は港を離れたと、
風の噂で聞いた。

昨日の女は、生きてやしないだろう。
一昨日まで仲間だった奴らに
殺されたに違いない。
その中でも、その命火を吹き消すのは誰か、
犠牲者を探し続ける。
人間は、“違う”が恐い。
人間は、“違う”が嫌い。
実に短絡的な思考だ。
嫌いではないが、図りかねる。

人が誰もいないだろう深夜に、
俺は町を歩いた。
人間に会いたくなかった。
果たして、俺のしたことは
正しかったのだろうか。
いっそ、魔物として生きた方が、
彼女は幸せだったかもしれない。
目にガラス玉が浮かんだ。
オイルの切れかかったランプが、妙に優しい。

外に出ている者もなく、静かだった。

だからだろうか。

ふと、俺は下手をすれば人間なのか、と。
そんな思い違いをしたのは。

一人の少女が目についた。
年の頃は、9歳だろうか。

地面にしゃがみ込んで、
熊の人形を弄んでいる。
いや、おかしいだろう。“違う”だろう。
親はどこだ?何をしてる?
この世のものか?お前は誰だ?
疑問が、頭の中でどうどう巡り。
これでは、収拾がつかない。
俺は、少女に声をかけようと近づき、
しゃがんだ。
少女は不思議そうに俺を見た。
綺麗な瞳だ。
ああ、綺麗なものばかり見てきたのだ。
衝動のまま、俺は少女を胸に抱いた。
なぜだか、愛おしくてたまらなかった。
軽い。今の様子といい、
ろくに食わせてもらっていないのだろう。

俺は、自分のしたことの重さを、
時折感じることがある。
お前を、巻き込んでしまった、と。
特に、今夜のことは、生涯忘れなかった。
そう。
この夜のお前は、
本当に暖かかったじゃないか。

「俺の名は……。そうだ、
狼は何と言ったかな……。
そう、ロボ、だ。
なあ、俺はお前を愛している。
お前のママやパパはそう言ったか?」
少女は何も言わない。
ただ、俺と少女の間の熊の首が左右に揺れた。
「分かった。
誰だって生まれて初めて愛している
と言ってくれたものの所にいるべきだ。
残念ながら、俺は言われたことがないが……。」

意味が分からない子供にだから言えた。
俺は少女を肩車すると、
流動性の悲しみと嬉しさで
前が見えなくなった。
指で乱暴に擦り、俺は谷へと逃げ帰った。

4 No load is with good company.→←2 Good luck your birthday.


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設定タグ:シリアス , ペケーニョ・デレーチョシリーズ , アップルパイ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:クインテット | 作成日時:2016年7月7日 22時

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