14 I description or Who fell out. ページ14
眩しいなあ。
初めて昼間に外に出た。
思わず目を細めても、
あんまり意味がなかった。
通りをいくつか通りすぎて、
いつかの教会の前に連れてこられた。
またお勉強かな。
「おぉ、救いだ……。」
教会の中に入ると、声で溢れ返った。
すくい?すくいって何だろう?
それにしても、今日は誰も私をぶたないんだ。
不思議だな……。
いつもおおかみさんを苦しめる、
悪いおじいさんが近づいてきた。
「降ろし子よ……いや、○○様。
どうか、我々をお救い下さい。」
おろしごというのが、私の二つ目の名前。
良く分からないけど、
私に言っているにちがいない。
「アーメン。」
おじいさんがにやりと笑った。
そうか、私にとっていいことじゃないんだ。
今度は何をされるんだろう。
水に沈められるのかな。
苦しいからやだな。
火あぶりにされるのかな。
熱いからやだな。
もしかしたら、にんぎょみたいに
泡にされちゃうかもしれない。
「奥の部屋に。
穢らわしい魔物が、もう近づけぬようにな」
町の人達は、私を小さな部屋に押し込んだ。
そこにあるのは、小さな明かり取りの窓と、
誰のかも分からない古い血。
それから、手錠。
「邪魔者は居なくなった。
さぁ、あの魔物を皆で討とうではないか!」
私は、手錠と首輪をつけられた。
息が苦しい。
夕日が赤い。
沈んだ後に上った月も、紅い光を放っていた。
誰もいない。
何もない。
真っ正面の鉄格子を、睨む元気も
いつの間にかなくなっている。
暗い。
怖い。
遠くの方から、大きな音が聞こえた。
大きく体をびくつかせると、
手錠と首輪がジャラジャラいった。
緊張で喉が開いて、少しずつ、
首が閉まっていく。
意識が薄れていき、私は目を閉じた。
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作者名:クインテット | 作成日時:2016年7月7日 22時