風に翔ける【究極の絆グリフォン】 (ページ19)

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「よく分からないな、その質問」

「島の中央に変な建物があるだろ？お前らもそこから来たのか」

「…人の森に来て、随分と大きな態度だね。嫌いだな」

…誤魔化せてるのはいいんだけど、もうちょっとオブラートに行こうよ。

「ムカつく、あいつ」

狩屋が肩をいからせると、その肩に雷門のDFの要を務める霧野が手を置いた。

「やめろ。どうも目的が読めない…アンリミテッドシャイニングのような殺気を感じないんだ」

「出て行ってくれないか。僕らの森から」

シュウが言い放ち、背を向けた。メンバー
もそれに従う。さて、雷門がどう出るか。大体分かるけども。

「待って！」

…うん、ここまで分かりやすいと逆に怖い。

「君達の森なら、頼みたいことがあるんだ。ここで俺達、特訓したいんだ！」

前に進み出たのは松風だった。フィフスセクターと戦っている、管理サッカーを無くしたい、ゴッドエデンに人質がいる、あるチームを倒さなければならない。だとか。

…そのチームのメンバーが目の前にいるというのに、なんとも滑稽な話だ。

「…どう？」

「いいんじゃなーい？」

カイが陽気に返事をする。他のメンバーも頷く。…全て予定通り。シナリオ通りだ。

「A、グラウンドの準備してきて。…もし僕達にサッカーで勝てたなら、認めてあげるよ。勿論森も使わせてやる。どう？」

…そういや私、今日はマネージャーなんだった。

ーーー

「はああ、思ったよりシュウが攻撃的に喋るから焦った焦った…」

「Aじゃあるまいしヘマなんてしないよ」

「……」

所変わって、私達は朝集まっていた場所…エンシャントダークグラウンドへと戻ってきていた。フィールドは土。

雷門はゴッドエデンに関わっているのではないかと疑ってグラウンド全域を隈なく調べているようだが、特になにも見つからないだろう。

フィフスセクターの最新鋭の機械を導入したところで、キャプテンが機械音痴のこのチームでは、なんの役にも立たないのだから。

「…審判は、エンシャントダークマネージャーの私が務めます」

コイントスをして先攻後攻を決める時、(因みに先攻はエンシャントダークである)なんやかんや審判を押し付けられた私は神童にそう言っておいた。

特に何か思うことはなかったのか、ああ、とだけ頷いて彼は持ち場に戻った。…私が実は例のチームのメンバーだと知った時、彼はどんな反応を示すのだろうか。

「それでは始めます」

ホイッスルを鳴らし、試合開始。