は _ IV ページ4
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Aはいつの日かマフィアの何でも屋になっていた。
梶井だけに関わらず、書類を頼まれれば喜んで受け、知らない構成員に頼まれた___エリスが森鴎外に頼み森が構成員に頼み構成員がAに頼んだ___
その他もろもろ…。
一年ほど前にマフィアにいた
それはもう数日前の話であった。
今日のAの仕事は翌日に控えた ある仕事の下見である。
A一人じゃ色々と心配だ、と森はエリスと共に街へ出した。
「タカミネ!アタシ、アレが食べたいわ!」
目的地まで距離があり、その中で色々な横浜の顔を巡るので年頃の子どもが好きなものはわんさかあった。
「クレープですか、エリスちゃん。いいですね!」
エリスが指差すのはクレープのワゴン。
Aの許可がおりる瞬間にエリスはワゴンへと駆け出した。
「クレープは逃げませんよ、エリスちゃん!」
赤いワンピースを揺らすエリスのあとをAは追いかけた。
* * *
「はあ〜〜、おいしかった!」
「エリスちゃん、二つも食べるなんてやりますね!」
「スイーツはベツバラよ!」
二人はワゴンから数メートル離れた海の見えるベンチに腰掛けクレープを食した。
港からは大きな客船が出港しようとしている。
「ねえタカミネ」
不意にエリスがAに訊いた。
「タカミネってどうしてマフィアに入ったの?」
「人助けがしたくて入った___」
「違うわ、
シンッ___と辺りの空気が冷えた。
いつもにこにこ笑顔を絶やさないAが真顔になるのはマフィアになってから初めてだろう。
「___どうして知りたいんです?」
「同じ職場仲間だからよ」
冷め切ったAの視線とは真逆にエリスはにこにこ笑顔で返す。
愛らしい笑みを浮かべるエリスと、冷酷な表情をするA。
まるで人を殺したことのあるような表情。
「それで教えてくれるんでしょ?」
「どうして教えてくれるとでも?」
エリスは広角を上げ、云った。
「そんなの簡単よ______」
「凄い職場仲間持っちゃったな」
Aは先刻の表情からコロリと変わり、微笑みながら本当の理由をエリスに話した。
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チョコレートソース(プロフ) - 梶井さん大好きなのでありがとうございます!(´▽`)続き待ってます! (2021年7月18日 7時) (レス) id: a8c1fc5263 (このIDを非表示/違反報告)
匿名檸檬 - 好きですありがとうです。(語彙力なくてすみません…) (2021年7月15日 1時) (レス) id: 1cfe5e17d7 (このIDを非表示/違反報告)
流琉 - 梶井さんのは少ないのでありがたいです! (2021年7月10日 0時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2021年3月14日 21時