検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:10,258 hit

は _ IV ページ4

-----




Aはいつの日かマフィアの何でも屋になっていた。


梶井だけに関わらず、書類を頼まれれば喜んで受け、知らない構成員に頼まれた___エリスが森鴎外に頼み森が構成員に頼み構成員がAに頼んだ___西洋菓子(ケーキ)を買ってきたり。

その他もろもろ…。


一年ほど前にマフィアにいた()()()みたいだ、と森や中原はAに云ったがAは理解せずに『ありがとうございます』と返した。


それはもう数日前の話であった。


今日のAの仕事は翌日に控えた ある仕事の下見である。

A一人じゃ色々と心配だ、と森はエリスと共に街へ出した。



「タカミネ!アタシ、アレが食べたいわ!」



目的地まで距離があり、その中で色々な横浜の顔を巡るので年頃の子どもが好きなものはわんさかあった。



「クレープですか、エリスちゃん。いいですね!」



エリスが指差すのはクレープのワゴン。

Aの許可がおりる瞬間にエリスはワゴンへと駆け出した。



「クレープは逃げませんよ、エリスちゃん!」



赤いワンピースを揺らすエリスのあとをAは追いかけた。



* * *



「はあ〜〜、おいしかった!」


「エリスちゃん、二つも食べるなんてやりますね!」


「スイーツはベツバラよ!」



二人はワゴンから数メートル離れた海の見えるベンチに腰掛けクレープを食した。

港からは大きな客船が出港しようとしている。



「ねえタカミネ」

不意にエリスがAに訊いた。

「タカミネってどうしてマフィアに入ったの?」


「人助けがしたくて入った___」


「違うわ、()()()理由よ」



シンッ___と辺りの空気が冷えた。



いつもにこにこ笑顔を絶やさないAが真顔になるのはマフィアになってから初めてだろう。



「___どうして知りたいんです?」


「同じ職場仲間だからよ」

冷め切ったAの視線とは真逆にエリスはにこにこ笑顔で返す。



愛らしい笑みを浮かべるエリスと、冷酷な表情をするA。

まるで人を殺したことのあるような表情。



「それで教えてくれるんでしょ?」


「どうして教えてくれるとでも?」



エリスは広角を上げ、云った。

「そんなの簡単よ______」



「凄い職場仲間持っちゃったな」

Aは先刻の表情からコロリと変わり、微笑みながら本当の理由をエリスに話した。




-----

い _ V→←て _ III



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
100人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

チョコレートソース(プロフ) - 梶井さん大好きなのでありがとうございます!(´▽`)続き待ってます! (2021年7月18日 7時) (レス) id: a8c1fc5263 (このIDを非表示/違反報告)
匿名檸檬 - 好きですありがとうです。(語彙力なくてすみません…) (2021年7月15日 1時) (レス) id: 1cfe5e17d7 (このIDを非表示/違反報告)
流琉 - 梶井さんのは少ないのでありがたいです! (2021年7月10日 0時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:遠藤氏 | 作成日時:2021年3月14日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。