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け _ VI ページ6

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一週間が経った。


Aは普通に塵処理の仕事を(こな)しマフィアに協力している。

毎日、一人ずつ裏切り者や敵組織の長などを殺した。


Aがやり始めの頃は無差別に自分の異能で周りの人が死なないから良い、と考えていた。

だが、三日目、四日目と知りもしない人を自分の異能で殺してると実感すると吐き気がした。


食べた食べ物が喉を通って口から押し出される感じを何度も体験した。

それは三日に一回になり、一日に一回、一日に三回、と頻度を増していった。


だが、Aは塵処理を止めなかった。


止めよう、と何度も思ったが一週間、マフィアで塵処理をしていれば判る。

裏切り者や敵対組織、首領の命に反する者がどんな末路を送ったかを。


楽に死ぬ為には協力しなければならなかった。それしかAには道がなかった。



「…ごめんなさい」

今日の対象者の資料を見て云う。



死んだ方がマシだ、否、早く死にたい、とAの頭を渦巻く。



「おい、早くしろ」


「ごめん」



Aの異能には一つ欠点があった。


対象者は一回だけでも、実物を見なければ対象者にはならなかったのだ。

その為、敵対組織まで乗り込まなければならない。


今回はマフィアの情報を横流しにし、マフィアに凡ての罪を負わせる組織の長の殺しだ。


護衛は芥川一人。

芥川一人で組織を壊滅できる筈だが、何故か森はそれを許さなかった。



「狂犬。私は今日は異能を使ってしまった。だから、お前が長を殺れ」

Aは隣を歩く芥川に云う。


「…判った」

芥川はそれしか云わなかった。



Aが数日前からやつれているのは芥川にでも判った。

ただ死にたい、と願う女が急に闇の世界に放り投げられ人を殺す任務を押し付けられたのだから。


殺した人に自分の命をあげたい、そういう眼をAはしていた。


二人は何も喋らず、横浜にあり、川の近くの敵の拠点を目指す。




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な _ VII→←い _ V



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田中りん(プロフ) - おかえりなさいです!!このシリーズ面白くて大好きです!帰って来てくれて好きです!うれしいです! (2021年3月13日 12時) (レス) id: 59051e49c3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - このシリーズいつも見てます。とっても面白いです更新頑張ってください (2020年5月21日 16時) (レス) id: 569fd15754 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年5月18日 13時

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