【ハイキュー】やきもち排球男子

及川＊好き ページ14

·


・及川徹のやきもち
・リクエストはきゅうり様より

……………




ぬくぬくとした陽の光が差す、珍しく半日で部活が終わった昼下がり


場所は体育館

＿＿＿に居る、及川さんの腕の中




「岩ちゃんと何話してたの？」




耳元に降り掛かる及川さんの声

いつもより何倍も低くて、目に見えて分かる不機嫌さをまとってる



「お、及川さんの…好き嫌いとか、色々、知りたくて…」



おずおず、ぽつぽつと

岩泉さんとの話の内容を、及川さんに密かに色々画策していた旨を、震える声で小さく答えた




「お前ってほんと、俺のこと好きだよね」




溜め息交じりの大好きな人の声は、そんな台詞ですら様になるのだから困る

その通り過ぎて、恥ずかしくて、ドキドキうるさい胸を手で抑えて

熱でみるみる染まる顔を背けた



「でもそのくせ何にも分かってないっていうか、俺を振り回すの上手すぎっていうか」



＿＿＿＿いや、背けようとした


不意に私の顔を覗き込んできた及川さんに、心臓が一瞬止まりかけて

それから、大きく暴れ始めて



「俺のことは、俺に聞けば良いじゃん」

「で、でも…！」



そんなの、それこそ、恥ずかしくて出来っこない

だからこっそり岩泉さんに協力してもらったんだ

けれどそんな主張をする余裕はなくて、目を泳がせながら言葉を濁した




「…あのねえ、俺だって、Aのことが好きでたまんないの！」




少し距離を離された体

視界に及川さんの顔がそっと覗く


相変わらず綺麗で、また胸が鳴って




「俺じゃない奴と仲良くしてたら、妬くに決まってんでしょ」




不服そうな表情の及川さんと目が合う

その目が望んでるものに気付くのに、ものの一瞬もかからない

それに痛いくらいに胸が音を立てるけれど


困ったように目を逸らしたって、逃がすまいと落とされたのは、どうしようもなく甘いキス



「言っとくけど、俺もほんっとにお前のこと好きだから」



口付けの合間に零れた及川さんの呟き

心がときめきでいっぱいになった



·

茂庭＊暇→←黒尾＊埋め合わせ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す