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始めは怖がってるんだと思った
女に泣かれるのは苦手だが、それが惚れた女の涙なら話は別だ、思わずその頭にこの手で触れていた
そして惚れた相手だからこそ、俺の手のもとに見せた表情に " 何か " があるのを感じて
＿＿案の定、それから避けられる毎日が訪れた
「成る程、秘密を抱えてたのは俺だけじゃなかったんだな」
悪いと思いながらも後を付けた日、見かけたのは教授眼鏡とのツーショット
つまり手前はそちら側の人間で、何かしらで俺がマフィアだってことに勘付いて
それで今更俺から距離を取ろうってか
＿＿＿＿もう遅せえよ
こっちはもう、なかったことになんざ出来ねえくらい手前に惚れ込んでしまってんだ
あの時手前が泣いた理由に期待しちまうほどに
だから
「……中原さん」
「悪い、今日も待ってた」
懲りずに今日もまた、俺は手前のそばへ行く
宣戦布告のような告白をした昨日、やっぱり手前を諦めてはやれないと強く思った
俺みたいのに好かれたのが運の尽きだ、もう互いに隠すもんはなくなった、覚悟しろ
俺はきっと、手前をそばに置く為に、卑怯な手に出る
「夜中に出歩くのを付き添った」
「……へ」
「駅まで車で送ってやった」
「えっと」
「男に襲われてたところを助けてやった」
「中原さん？」
訳が判らないでただ俺を見返す手前に、手を伸ばしてその髪をさらりと梳いた
拒まないでくれたのは、怯えからか、それとも嫌じゃないからか
「直近で三つ、手前は俺に借りがある」
本当はどれも俺がしたくてしたこと
でも口実がなきゃ手前は、避けずとも、俺と会うのに消極的なままで居るだろう
それは困る、俺は手前を口説き落とすつもりだから
「手前はちゃんと礼をしてくれるよな？」
「……ずるいです、そんなの」
「何とでも云え、そんで俺の想いを思い知れ」
濁された言葉も沈黙も、渋々ながらの肯定らしい
思った通り、俺と違って正しい意味で優しい手前は、こんな強引な誘い文句も突き放せない
そんな手前に柄にもなく罪悪感を覚える、けど手前から手を引く気にもなれなくて
「どうしてそんなに、私なんか」
「おいおい、俺の好きな女を悪く云うなよ」
ほら、今、手前の頬が少し赤く染まっただけで、これが俺だけのものだったらって
込み上げてくる熱に、胸がうるさく騒ぎ出す
「残念だが、手前は手前が思ってるよりずっと魅力的なんだぜ」
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楓(プロフ) - 完結おめでとうございます！鼻血が出過ぎてぶっ倒れる所でした(笑) 推し尊い…… (2019年4月3日 0時) (
レス) id: 381002261f (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 完結おめでとうございます！キュンキュンが止まりませんでした。ありがとうございます！ (2019年4月2日 16時) (レス) id: 4d7fcc5e30 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 完結おめでとうございます。いいお話でした。 (2019年4月2日 15時) (レス) id: 1bfa3e637e (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 更新されてる？( ☆∀☆) (2019年2月9日 10時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - あぁ､､､推し(中也)が尊い､､､ (2019年2月9日 9時) (レス) id: c6be9b3184 (このIDを非表示/違反報告)
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