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「やあ、太宰にAじゃないか」
自宅まであと曲がり角二つ、という時、聞き覚えのある声に私と太宰さんは歩みを止めた
キャンディ片手に、いかにも探偵な装いを着こなす声の主は、そう云って
ああ、違う、彼は " 名探偵 " って呼び名じゃなきゃ嫌がるんでしたっけ
「奇遇ですね、乱歩さん」
探偵社きっての名探偵様と偶然の鉢合わせ
「見たところ、随分と愉しそうだね」
そう云う乱歩さんの視線は、ぎゅっと繋がれた私たちの手に注がれている
「見ての通り、私は幸せですよ」
答えたのは太宰さんだ
本音を云うなら、手を繋ぎたい、って願った想いの強さはきっと、私も太宰さんに負けてなかったと思うのだけど
今この瞬間、幸せなのは私 " も " なのだけど
それはまだ、太宰さんには、内緒にしていたい
「＿＿＿ふうん？」
と、思ったそばから
乱歩さんとばっちり目が合った
含みのある相槌、私への意味ありげな視線、これは確実に見透かされているのだろう
「ら、乱歩さん！ 云わないで下さいね！」
どきりと焦って声を上げれば、私の予想はやはり間違ってなかったのか
「はいはい、別に云わないけどさ」
乱歩さんはキャンディを口に含みながら頷いた
太宰さんは多分、私達が手を繋いでたことを社のみんな秘密にして欲しい、って意味に捉えた筈だ
少し複雑な気分だけれど、ひとまず、ホッと胸を撫で下ろしていると
「その代わり、社の駄菓子の備蓄が切れそうだからまた補充しておいてよね」
「え、あっ、はい！」
「じゃあ僕はもう行くから」
乱歩さんはビシッと捨て台詞を残すと、別れの挨拶もままならぬうちに、鼻歌と共に去っていった
＿＿＿その背中を見送り、肩の力が抜けた時
「Aちゃん、乱歩さんとよく話すよね」
「まあ、そうですね、乱歩さんの駄菓子の管理も事務員の仕事ですから」
脈絡があるようでないような質問に、首を傾げながらもありのままを答えた
けれど返答はなかなか貰えなくて
「……太宰さん？」
「……ねえ、悪いけど」
不思議に思って振り返ると、太宰さんは、その鶯色の瞳を私から外すことなく言葉を紡いだ
「君が思ってる以上に、私は君を大切に想っているのだから」
太宰さんの空いてる方の手に髪を掬われるだけで一瞬にして顔や耳が熱を孕んで
繋いだままの手はさり気なく指を絡められて一言
「私が嫉妬するってこと、覚えておいてね」
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カズハ(プロフ) - 太宰さんの言葉選びが最高すぎてキュンキュンしました！！ありがとうございます！！ (8月7日 3時) (
レス) @page50 id: a9129a72cb (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - すみません。「 やきもち日和」のパスワードは何ですか？ (2018年6月8日 0時) (レス) id: bcda3478dd (このIDを非表示/違反報告)
神羅°(閲覧専用)(プロフ) - 最高です！！太宰さんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました(歓喜)ありがとうございますｗ (2018年3月18日 1時) (レス) id: 7fad23618c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 太宰さんかっこよすぎて、キュンが止まりませんでした！完結おめでとうございます！ (2018年3月4日 1時) (レス) id: fe3c394919 (このIDを非表示/違反報告)
サッピー(プロフ) - この話最高でした！もう一途な太宰さん最高！ついつい顔がにやけてしまいました！完結おめでとうございます！！ (2018年2月16日 12時) (レス) id: d2c3ca49e1 (このIDを非表示/違反報告)
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