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「はあ……」
だめだ、仕事が手に付かない
書類の文字も内容も頭に入ってこないし、睨めっこしてる書類はまだ一枚目
今の心境を一言で表すなら
「誰か夢だと云って」
「Aさん、何か云った？」
「あ、春野さん、えっと」
聞かれてしまった
出勤してからずっと項垂れてる私を、春野さんは心配してくれてるみたいで
そんな優しき事務員仲間を見て、一瞬思った
相談、してみようか、って
「独り言です、すみません」
「そう？ なら良いんだけど」
でも、云えなかった
というか云ってどうするんだろう
あの太宰さんが隣に越して来たかと思えば、実は私に想いを寄せていたとか
挙げ句の果てには
翌朝に
唇に、その、き、キスを
「おい」
「うぇ！？ き、キスなんかされてません！されてませんから！」
「何訳の判らんことを云っている」
「あ、く、国木田さん」
ははは、と誤魔化すように薄く笑う私に、鋭い視線が浴びせられる
この痛い視線、デジャヴだ
今朝、私が太宰さんと、遅刻寸前に出勤した時と同じ視線だ
「お前に折り入って話がある」
「私にですか？」
何だろう、今になって朝のお咎めとか？
うーん、頭を下げる準備をしておこうか、なんて
「太宰のことだ」
下げるつもりだった頭は、上を向いていた
理由は明快、国木田さんを見上げたからで、まさかの太宰さんの話題に私は激しく動揺する
「な、なな、何でしょう？」
冷静を装うつもりだった声は上ずりまくりで、怪訝そうに眉をひそめられてしまう
「太宰が引っ越しただろう」
「は、はい」
どこに、なんて
云わずもがな私の隣の部屋だ
「俺としては、もっと社の近くに住まわせたかったんだが」
云いたいことの核心がさっぱり判らなくて、探るように国木田さんを覗き込めば
「太宰の奴が、お前の住むアパートの部屋にやけにこだわってな」
ぎくり
「反対する俺に、太宰が宣言した」
「……え」
また、嫌な予感だ
何となくその先を聞きたくない気が、悩みの種が大きくなる気がする
けれど、そんな私の気など知らぬ国木田さんは一息吐いて云った
「 " お前との出社なら遅刻はせん " 、らしい」
頼んだぞ、と、真顔で手を置かれる肩
私の知らないところで、何て宣言をしてくれてるんだろうか太宰さんは
太宰さんの隣人として、国木田さんのお墨付きをもらってしまったじゃないか
国木田さんの手は、ずっしりどっしり重かった
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カズハ(プロフ) - 太宰さんの言葉選びが最高すぎてキュンキュンしました！！ありがとうございます！！ (8月7日 3時) (
レス) @page50 id: a9129a72cb (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - すみません。「 やきもち日和」のパスワードは何ですか？ (2018年6月8日 0時) (レス) id: bcda3478dd (このIDを非表示/違反報告)
神羅°(閲覧専用)(プロフ) - 最高です！！太宰さんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました(歓喜)ありがとうございますｗ (2018年3月18日 1時) (レス) id: 7fad23618c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 太宰さんかっこよすぎて、キュンが止まりませんでした！完結おめでとうございます！ (2018年3月4日 1時) (レス) id: fe3c394919 (このIDを非表示/違反報告)
サッピー(プロフ) - この話最高でした！もう一途な太宰さん最高！ついつい顔がにやけてしまいました！完結おめでとうございます！！ (2018年2月16日 12時) (レス) id: d2c3ca49e1 (このIDを非表示/違反報告)
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