#花束 ページ17
·
また、花束を貰った
「本当、手前は花みてえに綺麗だな」
有り難う、と顔を綻ばせて云えば、中也がそんな返事と共に目を細めるから
顔が赤らむのが自分でも判って、思わず熱を冷ますべく手を頬に当てる
そんな私にさえ、中也は愛おしそうな眼差しを向けてくれた
「やっぱり花より綺麗かもな」
「もう、恥ずかしいってば!」
更に顔が熱を持つのを感じながら、中也から逸らした目を花束に落とした
____その花束は
前は確か、花屋さんセレクトの " 恋人に贈る花束 " だった筈だと思う、のだけれど
今度のは、今回の花束は、幾つもの真っ赤な薔薇を寄せ集めたもので
ときめきと期待とが胸を忙しなく駆け巡る
「これ、何本あるの?」なんて、震える声で訊いてみようと口を開きかけた、その時
「___なあ、手前も中原になれよ」
一瞬、時が止まった気がした
「花も宝石も、手前の欲しがるもんは俺が全部くれてやる、だから、俺の名字もついでに受け取れ」
それは私が一番望んでいたもの
どんなに愛らしく咲いた花だって、どんなに気高く輝いた宝石だって、中也のくれる愛にはどれ一つ敵いっこない
頭で何か思うよりも早く、涙が溢れては溢れて、笑みが零れては零れて
歓びが心を包み込んでいた
「___好きだ、A」
今までも、これからも
強く真剣な想い、熱く大きな想い、全て重なった深い愛の色を中也の瞳が映し出している
全力で頷いた私を見て、中也は嬉しそうに笑って
「俺と結婚して欲しい」
私の左手、その薬指、愛おしそうに触れる中也の手は大きくて温かい
中也はそっと、煌びやかに光る指輪を通した
おまけ END
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←#ハンドクリーム
216人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
留羽謝(ルーシェ)(プロフ) - 中也さんイケメンっ!!ありがとうございます!美味しかったです!!! (2018年2月8日 22時) (レス) id: 1767e80507 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ!(プロフ) - 無事死亡。どんぐりさんほんといつもいつも私をキュン死させてしまう作品を作って……有難うございますっ!!中也さんかっこいい夢主ちゃん可愛い。最高でした(震え声) (2017年11月11日 12時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - プロポーズキターーー−−−−−−−−−−−−−ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!! (2017年11月3日 22時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 中也かっこいい!つーかうぶかよ! (2017年11月3日 22時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
れんれんれれれ(プロフ) - 中也さんがかっこよくて!!中也さん目線の時はかっこよさと可愛さがあったのに夢主目線の時はただただ格好よくて………ドキドキしました!! (2017年11月3日 21時) (携帯から) (レス) id: f40e23ddec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ