#イヤリング ページ14
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「貸してみろ、俺が付けてやる」
真紅に光る宝石のイヤリング
中也とのデートに、それを身に付けて行こうとした矢先のこと
見るからに高級そうなイヤリングにビビり、なかなか上手く付けられないうちに、中也が家まで迎えに来てくれたのだった
「あ、うん、お願い」
赤い宝石の付いたイヤリングを、差し出された中也の手にそっと手渡す
と、中也は受け取ってから、にやりと口角を上げ
「どっちの耳からつけて欲しい?」
耳のすぐそばで、吐息と共に声を零した
「ひゃ…っ!」
思わず跳ねてしまう肩、手で覆って隠す口もと、体中が一気に熱くなるのが判って
そんな私の横で、中也がくつりと笑っていた
「なあ、耳、真っ赤だぜ?」
云われなくても判ってることを、わざわざ誇張でもするように、それも息を多く含んだ声で耳もとで
私の反応を愉しむその黒い笑みが、憎たらしいことこの上ない
「ん、もう、ちょっと…!」
「おいおい、逃げんな」
「イヤリング付けんだろ?」なんて、付ける気のないそれを私の前でチラつかせ、反対の手では私の腰をしっかりと抱き寄せた
同時にフッと漏らされた笑い声が、甘ったるく鼓膜を揺らして大きく響く
「判ってて、やってる、でしょ…!」
____私が、耳が弱いってこと
全部云ってしまえば、余計に調子に乗らせてしまいそうで、あえて濁して云ったというのに
中也は、はて、と首を傾げて
「何のことだかさっぱりだな」
全く以て、見え透いた嘘を吐いた
何とも腹の立つ出任せだ、獲物を前にした獣のように瞳を光らせ、笑みを妖しく歪めておいて
やけに悪戯っぽい口調で話してるくせに
「デートなんざいつでも出来んだしよ、」
わざとらしく、私の耳に唇を寄せて声と一緒に吐息を漏らす中也は、きっと確信犯
またも中也の声が深く響く
「なあ、良いだろ」
" 良い " ってそれは、デートはまた今度にして、今日は甘い時間を過ごそうってな提案を意味していて
中也は酷く妖艶に目を細め、低く囁いた
「一日中、たっぷり可愛がってやる」
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留羽謝(ルーシェ)(プロフ) - 中也さんイケメンっ!!ありがとうございます!美味しかったです!!! (2018年2月8日 22時) (レス) id: 1767e80507 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ!(プロフ) - 無事死亡。どんぐりさんほんといつもいつも私をキュン死させてしまう作品を作って……有難うございますっ!!中也さんかっこいい夢主ちゃん可愛い。最高でした(震え声) (2017年11月11日 12時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - プロポーズキターーー−−−−−−−−−−−−−ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!! (2017年11月3日 22時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 中也かっこいい!つーかうぶかよ! (2017年11月3日 22時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
れんれんれれれ(プロフ) - 中也さんがかっこよくて!!中也さん目線の時はかっこよさと可愛さがあったのに夢主目線の時はただただ格好よくて………ドキドキしました!! (2017年11月3日 21時) (携帯から) (レス) id: f40e23ddec (このIDを非表示/違反報告)
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