tk × in短編集② (ページ1)

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you are my only valentine.（tkin）ページ1

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バレンタインのふたりのお話。Rは無いです。
ただただ甘い。そして重い。

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恋人達の聖日、はたまた、告白の日。ローマの時代が起源とされるその日は、今や世界中で愛の誓いの日と言われている。

日本の男子高校生は、やれ今年は幾つ貰っただとか、そんなことに夢中になって。
まぁ俺もそんな時代があったな、なんて今では他人事のように思い出す。

「伊野尾くん、」

「ん？」

「何考えてんの？」

俺の名前を呼ぶ愛しい人の両手には、お揃いのマグにほくほくと湯気が上がるホットココア。

「バレンタインデーに想いを馳せてたの、ん、ありがと」

「また変なこと言ってる(笑)あ、熱いから気をつけて」

「ほんとだってばあ」

「ふぅん？」

2人がけのソファに座り、並んでココアを飲む。
ただそれだけの朝。いつもとほぼ変わらない朝。
それだけでこんなにも幸せだなんて、貰ったチョコの数に夢中になっていた時には知る由もなかった。

「ねぇ髙木」

「んー？」

「髙木は最高何個貰った？」

「えー…何個だったかなぁ…」

いつかの、楽屋で。

髙木が女の子に貰った本命チョコを、大ちゃんと薮と光と一緒に見たことがある。
リボンのかかったハートの箱。中にはふわふわの綿と、粉砂糖のかかった美味しそうなチョコレートブラウニー。

いかにもって感じのそれは、思春期真っ只中の俺達を馬鹿みたいに興奮させたのを覚えている。
その後髙木はそのままその子と付き合ったらしいが、どれくらい続いたのかは知らない。

「あんま覚えてないな、そこまで貰ってないし」

「へえ？」

「なんだよその目は(笑)」

「別にぃ？」

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