くねくね 後編 ページ35
あらすじの続きです。
わけのわからないまま家に戻ると、皆が泣いています。
しかし兄だけは狂ったように笑い、あの白い物体のようにくねくと乱舞していました。
語り手は兄の姿に、白い物体よりも恐怖感を覚えます。
家に帰る日祖母が、兄はここの方が暮らしやすい。都会は狭いし、世間の事を考えたら数日も持たない。うちに置いといて、何年か経ってから田んぼに放してやるのが一番だと言いました。
語り手は泣きながら車に乗り、実家を離れました。
祖父達が手をふる中、変わり果てた兄が一瞬、自分に手を振ったように見えました。
遠ざかる中、兄の表情を見ようと双眼鏡で覗くと、表情は笑っていました。
けれど、今まで一度も見せなかった悲しい笑顔でした。
曲がり角を曲がり兄の姿が見えなくなっても、語り手は涙を流しながら、ずっと双眼鏡を覗き続けました。
いつか元に戻る。
そう思って、兄の元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていました。
そして、兄との思い出を 回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていました。
…その時でした。
見てはいけないと分かっている物を、間近でみてしまったのです。
というような話です。
くねくねは、晴天や猛暑の日に水田などの水辺に出現します。
遠くから眺めるなら問題はありませんが、何かを認識すると精神に異常をきたし兄のようになります。
くねくねを発見したらその場を立ち去り、近くの人家に避難すること。
人家に押し入ったというケースはないので、野外にいるより安全です。
くねくねの正体とは何なのでしょうか。
水田などの湿気が高く高温になりやすい場所に出現するので、蜃気楼のような現象が起き強い陽光が脳に強い影響を与えた蜃気楼説や、幻覚説などもあります。
また、こんな説も。
昔秋田周辺の田舎で、精神障害者を田畑の害獣を追い払うカカシの代わりにしていたことがあったとか。
足を一本切り、十字にした木に縛りつけ田畑に立て掛ける。
そこから逃れようともがく姿が、くねくね。
憎悪などで怨霊になり、狂わされてしまうという説です。
白い病院服を着た精神患者が、病院から脱走し踊り狂っているという説もあれば、くねくねの正体は「自分」である、という説も存在します。
皆様も、くねくねを見たらすぐに目を反らし、その場を去ってください。
でないとあなたも、おかしくなってしまうかもしれません。
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ユンユン - 違うみたいです。削除しておいていただけたら幸いです。 (2015年5月19日 22時) (レス) id: 0e9c8f8924 (このIDを非表示/違反報告)
ユンユン - 生き残あなた昔学校ものの電気椅子使った小説ゲームとか言うの作りましたか? (2015年4月4日 19時) (レス) id: 0e9c8f8924 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿西 虎吉 - キリストの墓か・・・見てみたい (2015年4月4日 17時) (レス) id: 0e9c8f8924 (このIDを非表示/違反報告)
†野薔薇†(レーゼ)(プロフ) - 月島智美さん» おお・・・結果はどうでしたか? (2015年1月20日 20時) (レス) id: 80c6e1643a (このIDを非表示/違反報告)
月島智美(プロフ) - 一か八かのトランプをしたいと思います! (2015年1月19日 7時) (レス) id: fc07ae50ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:†野薔薇† | 作成日時:2014年3月23日 12時