毒舌度435% ページ39
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……信用って……何?
唐突に抱き寄せられて、抵抗も出来ないままカルマの言葉をただぼーっと聞いていた。本人は無自覚かもしれないけど、その腕とか声は震えてて、私はまた何かしたのかなって考える。
……そう言えば、イリーナ先生にも皆を信用しろって言われた。
「……してるよ」
「何が」
「……私、皆の事、ちゃんと信用してるよ……?」
「A」
べりっと体温が離れた。されるがままにカルマを見上げる。嘘つくなって、目が、口調が訴えていた。
……でも、嘘は吐いてないよ……?
「……無自覚なんだろうけどね」
「何が……。私、ちゃんと皆の事信用してる! だから、巻き込まないように、最善の策を取ろうと思って!」
「その結果がこれ? ……馬鹿言うなよ! なんでわかんないの!?」
何時も飄々としているカルマが、珍しく声を荒らげて私の肩を掴む。痛い。けど、そんな事言えない。肩よりも、カルマの真剣な顔の方が痛々しい。目立った外傷はないのに、訴えてくるものが痛い。凄く、私の何かに刺さる。
「なんで、言ってくれなかったの?」
「……」
「すぐ近くに俺らは居て、お前を助けられたかもしれないのに、何で何も言わなかったの?」
「私の不注意で、皆に迷惑掛けたくなくて……」
「なんで迷惑掛けちゃいけないの? Aにとって、俺らは仲間じゃなかったの? 信用するに値しないの?」
「ちがっ」
「違くないよ。そういう事じゃん」
皮肉をたっぷり込めてカルマは言うが、揺らぐ琥珀の瞳を見ると、どうしてか文句の一つも言えなくなる。
……私が悪いの?
私は、皆に嫌われたくなくて、やったのに……?
違う。嫌われてもいいやって、決行したんだ。
……皆が大切だから、殺されたと思った時辛かった。皆の無事な姿見てめちゃくちゃ安心した。
……駄目だ。自分の事なのに、何したいのか、全く分からなくなった。
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葵(プロフ) - みすずさん» ありがとうございます! 中々カルマ君が出せないからかやる気が足りず申し訳ない……。これからもマイペース更新ですので時々でも思い出して貰えれば幸いです。 (2018年1月28日 20時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
みすず - 最高でした!カルマくんのベタ惚れ感いいです!これからも応援してます! (2018年1月27日 11時) (レス) id: 32ee314352 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - みずさん» お待たせしてすみません!!!!!死神編のやる気でなくて……!()Twitterでもお世話になっています!これからもマイペースな作者を見守って下されば幸いです……! (2018年1月21日 19時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - きゃああああぁあ更新キタアアアア!!!と一人で狂喜乱舞してましたみずです。 (2018年1月21日 17時) (レス) id: 38f9525b82 (このIDを非表示/違反報告)
miku - コメ出来るのは少ないですが、気軽にタメで読んでください。 (2017年12月26日 11時) (レス) id: e73ab21f2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025
作成日時:2016年1月20日 19時