＊ ページ19
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[ 太宰治 ]
近頃、如何しようもなく付き纏ってくる青年が居る
というのも、元は私が目を付けて張り込んでいたのだが、怪しいだけでいくら叩いても埃が出ないのだ
結局、逮捕は断念して手を引いたのが数日前
そしてここ数日、今度は其の彼が私に張り込んでいる
『――隠れてるのはバレてるから、出てきなよ、太宰治』
いつから尾行していたのか、少なくとも陽が落ちてからはずっと背後に気配を感じてた
物影からひょこりと顔を出した彼―――太宰治が、正に最近私を悩ませている青年である
「流石は軍警の次期エース、鋭いねえ」
『態と気配を消してなかった癖に』
白々しいったらありゃしない
彼が本気で尾行しようものなら、きっと私は、背後一糎の所迄迫られても気付かない
なんせ、あのポートマフィアが一隅なのだから
まあ、物証は無いのであくまで操作上での暫定だが
『そう云う君こそ、次期幹部なんじゃない？』
「心外だなあ�� 現 �甦管瑤世茵�
『其れが本当なら今直ぐにでも適当な理由付けて逮捕するのに』
公務執行妨害くらいなら、後から何ら云われても始末書さえ書けばなんとかなる
要は現行犯逮捕が出来ればいいのだ
「ふふ、軍警らしからぬ反則技だね」
『余罪は幾らでもあるでしょ』
「さあ、証拠があるかは判らないけど」
両手を合わせて前に出して、「調べてみる？」と
其の腕に手錠を掛ける日を、私がどれ程待ち侘びてるか、知ってて云ってるんだ、この男は
本当佳い性格してるよ…
十八かそこらの青年に、ここ迄手を焼かされては、軍警の威厳もあったもんじゃない
『もう、君を逮捕するのは諦めるから安心しなよ、だから付き纏わないで』
溜め息と共に云って、踵を返して歩き出すと背後から足音
余程、私を困らせたいらしい
足を止めて振り返ると
『わっ』
思いの外近かった彼との距離
その侭とんっと肩を押されて、背に壁がついた
「困るなあ、もっと頑張ってもらわないと」
『何それ…』
壁際、追い込まれたのは私
「諦めないでよ、いくら頑張っても捕まえられない私に四苦八苦する君を見るのが愉しいんだ」
『……相当捻じ曲がった性格だね』
「ふふ、それ程でも」
『褒めてない』
最早大人のプライドは捨てて、不機嫌全開で目の前の彼を睨む私
一転、目を細めて愉しそうな彼
「大人げ無くて、善い顔―――其れ、私以外の男には見せないでね」
案外、捕まってるのは私の方かもしれない
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柏餅 - 神すぎます！ (1月5日 7時) (
レス) @page27 id: c21f6abdfc (このIDを非表示/違反報告)
へっぽこ狸 - いつも読ませてもらっています！りくえすとなんですがよろしいでしょうか？「最高機密の恋」で夢主がモブに頭を攻撃されて気絶するというシーンがありますが、その時のフョードルさんサイドの話が読みたいです！ (2018年8月3日 17時) (レス) id: 9bbf31437e (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - 表現や言葉のセンスが本当に素敵で尊敬します!第1段から一気に読み返してしまいました｡いつも楽しみにしています｡頑張ってください!ゆっくりでも待ってます｡ (2018年7月21日 14時) (レス) id: 5dfeb6ba3e (このIDを非表示/違反報告)
5ま - ドストさんと澁澤さんのお話が欲しいです .. ！ シチュはお任せします ！ (2018年7月13日 23時) (レス) id: 698d6e01ac (このIDを非表示/違反報告)
菜畑 - 猟犬の末広さんでリクエストお願いします。夢主は探偵社員で。 (2018年7月12日 21時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お餅
| 作成日時：2018年7月3日 10時
