二十二羽。 ページ24
翌日。
疲れていた、ということもあり檻で寝てしまっていたこの船の女神。
『この船が私のホークラックスだって、忘れてるのかしら…』
Aはそう呟くと檻に手をかけ指をくい、と動かす。
ガチャリ、と解錠する音がすたと思えば彼女は檻から出ていた。
階段を駆け上がるとそこには上機嫌な乗組員たちがいた。
『ねぇヘクター？何で皆ご機嫌なのさ』
「そりゃあアステカの最後の金貨とターナーの娘が見つか…お前なにやってんだ？」
『なにって…林檎食べてる』
そう、林檎を食べてるA。
しゃり、といい音を立てて食べる彼女をヘクターは怪訝そうに見る。
彼女がそんな事を気にするわけもなく乗組員を眺めていた。
『金貨ねぇ…女の子が持ってたでしょ？若い、綺麗な子が』
「なんで知ってる…ああ、お前はそれのお守りだったんだなァ」
『私が船に戻ればエリザベスは巻き込まなくて済むと思ったんだけど…ラゲッティとピンテルが余計な事をしてくれたから、ねぇ？』
ラゲッティとピンテルが、を強調して言うと名を出された2人の肩がビクリ、と震え上がった。
Aはその様子を楽しんでいるようでニコニコと笑みを零していた。
『…エリザベスは？』
「何故聞く？」
『質問に質問で返さないでよ、別になんだっていいじゃない』
「逃がそうってんじゃないだろうなァ…俺たちの呪いを解かないために」
『まさか。別に今ここで逃がしたって意味ないもの。ちょっとお喋りしたいだけ、さっさと彼女の居場所吐きやがれ』
とうとう口の悪さが出てきたAだったがヘクターはそれでこそお前だな、と笑う。
Aはふん、とそっぽを向き海を眺めた。
ここからの景色。潮の香り。波、風の音。
『やっぱ海が一番！』
「なら素潜りでもしてくるんだな」
『何を！？アンタがしてくればいいでしょ！』
「なんで俺が素潜りなんかしなきゃならん…お前は大人しく牢で寝てろ」
『アンタが牢に入れば？私はあそこに入れられたっていくらでも出てこれるもの』
「煩い小娘だな、これでも食って黙っとけ」
ヘクターはAの手から林檎をもぎ取ると自分も一口囓り、Aの口へ放り込んだ。
まぁ、これで腹など満たされないのだが。
ラッキーアイテム
ギブスの酒瓶
ラッキー人物
ジェームズ・ノリントン
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猫缶。 - わがはいはもちろんヘクター落ち希望する！だが、ジャック落ちになってしまったら番外編として書いてくれんかのぉ…… (2018年3月7日 0時) (
レス) id: a1e031bcf5 (このIDを非表示/違反報告)
肉食獣 - ジャック落ち多いですね。ヘクター落ち希望します。あと最後の海賊めっちゃ泣きました！俺の宝と言われてたみたいですよね！ (2017年7月9日 17時) (レス) id: b6b8d83403 (このIDを非表示/違反報告)
うの - ジャック落ちお願いしますー (2017年7月9日 9時) (レス) id: 5a3801aec0 (このIDを非表示/違反報告)
アンジェリカ - この小説もジャックオチなのかな…バルボッサオチも見たいんだが… (2017年7月7日 16時) (レス) id: 2d45dbfdaf (このIDを非表示/違反報告)
Hannah - ジャック落ち希望です…！ (2017年7月7日 0時) (レス) id: 58bcbd62e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唖愛 | 作成日時：2015年9月14日 18時
