５ ページ34
「か、カルマさん……？」
「ねぇ、Aって吸血するけど、普通にご飯食べてるよね？」
まぁだからデブなのか。と笑って付け加えるカルマ。全力で投げたいが組み敷かれる今の私じゃ不可能だ。
「何で？」
「は？ 全然太ってないんですけど？ お前の目は節穴か」
「いや、そうじゃなくて。普通に食事出来るんなら吸血する必要無くない？」
「……何？ 嫌なの？」
「別に？ 気になっただけ」
「……」
なんて答えれば良いか、言葉を慎重に選びながら目線を泳がせる。何故か下手な説明したら危険な気がする。カルマ怖い。
「一種の栄養補給、かな。普通の人間より摂取する栄養分が一つ多い、みたいな」
「ふーん……？」
ホントは違う。吸血鬼は人間の三欲+αとして、『吸血衝動』が存在するとか。事実、それに耐えようとすると、私の場合嗅覚が鋭くなり本能的に吸血してしまう。理性なんてぶっ飛んで。
じゃあ何で自分の血じゃ満足出来ないのか。これは簡単。人間だって自分で自分を食べたりしないでしょ。それと同じ原理。
まぁ吸血する理由として、結果的に耐えられないからだ。自分の欲を満たす為の行為。ってのが正解なんだけども……それを楽しそうに笑ってる彼の前で言えるものか。いや無理だ。
納得した？ と問いかけるが、カルマからは曖昧な返事しか返ってこない。どうやら今の答えれじゃ駄目だったらしい。まぁこれ以上教えるつもりないけど。
「俺さ、前気になって調べた事があるんだよね」
「私の体質とか？」
「まぁそんなとこ」
「ｯ……!?」
するりと太腿を撫でられ必死に声を押し殺す。カルマの顔がゆっくりと耳元に近付いてきた。思わず身をよじるがもう遅い。
「――吸血衝動って第四の欲に耐えられないから吸うんじゃないの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - 浅野月愛さん» こちらでもコメントありがとうございます……！ 凄い大胆な盗作宣言頂き光栄ですw勿論読者さん達を信じているので、そんな事はないと分かってます笑 これからも宜しくお願いします。 (2019年1月27日 23時) (
レス) id: eeb8e01c6f (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛 - 七夕伝説が盗作したいくらい好き！あ、いや盗作したいけどしませんよ！？ (2019年1月27日 21時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ゆうゆうさん» ありがとうございます！そう言って貰えて光栄です！現在Par11まで公開しております。徐々に公開予定なのでお待ちして頂ければ幸いです。頑張らせて頂きます！ (2017年11月18日 21時) (レス) id: 98185949ce (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - アヤさん» 長いよ。え？なにそれ嫌だ…。あー、リンって可愛いね。スラリん(仮)だから略称にするね！やだ！スラリん(仮)でいいの！太郎は嫌！ (2017年11月18日 21時) (レス) id: 98185949ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆう(プロフ) - とても面白いです！パスワードがかかっている部分も読んでみたいです。頑張ってくださいね！ (2017年11月18日 19時) (レス) id: 4e7930216c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵
| 作者ホームページ：https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025
作成日時：2017年6月6日 18時
