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(暗い)





寝室に入ると、間接照明がわずかに灯る。



(…寝とる、よし)



まとまった睡眠が取れないって、相当しんどいはずだ。
そっと、忍び足で、寝息の立つほうへと近寄る。




(おいおい、出とるやん)





ほのかはしっかりと毛布をかけて、ベビーベッドに横になっている。


だけどAはと言うと、前開きの部屋着のボタンは外れたままで、毛布もかけないで。

つまり、ちょっと出てる、母親のだいじなところが。


思わず笑ってしまったけれど、ああきっと、ついさっきまで授乳でもしてたのだろうか。





…これ、きっとほのかがいなくて、もっと違う状況でこれなら…多分 二年前とかの俺ならサカッてたな。

そんな、どうでもいい、くだらないことを考える。






(こんなん、風邪ひくやろ…)




彼女の着る部屋着のボタンに、不器用な指をかけた。

ひとつめ、ふたつめ、
みっつめ…と ボタンホールにそれをくぐらせたところで、もぞ、とAが動く。




「…ん、あー、おかえり…」





*

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作者名:まいち | 作成日時:2017年9月15日 3時

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