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(今日は、あったかいね。ねぇ)




お腹が目立ち始めてからは、

ひとりの時なんかは特に、
この ちいさな奇跡に向かって話しかけることが多くなった気がする。




もちろん、まだ返事はない。

でも、ちゃんと聴いてくれているような気がして。



そんな時間に幸せを噛みしめていると、聴き慣れた着信音。

ついさっき家を出たはずの、卓からのものだった。
コールが二度鳴ったところですぐに応答ボタンを押す。



「もしもーし」



電話の向こう側の彼に話しかけると、
おそらくチームメイトであろう、
わたしの声に応える彼の声のうしろでやいのやいのと賑わう声がした。

彼からの話の内容としては、

午前の練習後、少しだけミーティングが入るかもしれない。
あまり時間がないかもしれないけれど、もし来れそうなら、少し早めにおいで、とのことだった。




わたわたとクローゼットを開けて、
かかっていた洋服にわたわたと着替えて、
支度を始める。


すると、


焦る気持ちがおなかの中にも伝わったのか、
一定のリズムで脈を打っているかのような振動。






(……? どうした??)




ヒクン、ヒクンと、感じるそれ。
そう、まるで…



「えぇ、なに…もしかして、しゃっくり?しゃっくりしてる?あはは」




漏れる驚きと笑みを思わず声に出す。


この命が始まって7ヶ月ほど。

もしこれが本当にしゃっくりなのだとしたら、
こんなに小さいうちからそんな生理現象を起こすことができてしまうものなのか。
感動だ。





(かわいすぎる。感動。卓ちゃんに教えてあげたい早く)




思わずソファに座り直して、
おなかに手を当てたままで じっと目を閉じた。

振動の回数を、頭の中で正の字をなぞりながら思わず数える。

そうしてちょうど九つ目の正の字を頭の中に書き終えて、立ち上がり、家を出た。









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ななせ - コメント失礼します!とても面白いです!!中島選手大好きなんで更新いつも楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2017年9月8日 22時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まいち | 作成日時:2017年8月11日 10時

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