聖なる夜に ページ38
バルコニーに出て夜の街に広がるイルミネーションをキラキラした瞳で眺める彼女。
「気に入ってくれたのは嬉しいけど、そんなに長い時間外にいたら、コートを着ていても冷えるよ」
冷たくなっている彼女の身体に持ってきたストールを掛ける。
「ありがとう。グクがとってくれたホテルからこんなに素敵なイルミネーションが観れるなんて思わなかった。
すごく綺麗」
「ドレスを着たAと一緒に見たかったんだ。
近くからは見れないけど、上から見るのもいいね」
一般の人に混じって、この美しい光景を見るには彼女も僕も少し有名になりすぎた。
でも、どうしても彼女と思い出に残る特別な一日を過ごしたくて考えた結果が、ホテルからイルミネーションを一緒に眺めるという方法だった。
ここなら、他の人からは見えないし邪魔されることがない。
なにも考えず二人だけの時間を過ごすことができると用意したこの部屋をAはすごく喜んでくれて、パーティー会場からそのままホテルに移動して部屋に着いてからずっとバルコニーに出て外を眺めている。
イルミネーションに夢中な彼女。
キラキラした横顔が綺麗でこの瞬間を形にして残しておきたくて。
カシャ
その音に驚いたように振り向いた彼女。
「驚いた?」
「もう。びっくりした。
変な顔だったでしょ」
いじけたように僕に言う彼女。
「ううん。すごく綺麗に撮れた」
「嘘だ。今、気抜いてたもん」
可愛い反応に笑ってしまった僕に余計に拗ねてしまった彼女。
テレビでは大人びた彼女が僕に見せてくれる年相応で、ありのままの姿。
世界中探してもこんな彼女を見たことがある人はいないでしょう?
僕だけが彼女のこの表情を引き出せるんだ。
アルコールが入っていて、いつもより少し幼く見える彼女も可愛くて大好きだ。
いつまでも見ていられるけどツンっと可愛らしくいじけている僕の愛おしい奥さんの機嫌をそろそろ取ろうと僕は動き出す。
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さくら(プロフ) - Sanagi1618さん» パスワードを送りましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年7月5日 11時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
Sanagi1618(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。宜しければパスワードを教えていただけるでことは可能でしょうか? (2022年6月30日 23時) (レス) id: 772ebad025 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 柚さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - annalove4752さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - はじめまして。楽しくて一気に読ませていただきました。宜しければ続編のパスワードを教えていただけないでしょうか?よろしくお願いします。 (2022年6月26日 21時) (レス) @page50 id: 6c04f8286c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年1月3日 22時