大切なこと ページ32
「どう?グク」
不安げな表情で鏡越しに僕を見上げるドレスアップした彼女。
やっぱりこのドレスにして正解だった。
自分で彼女に似合うと思って贈ったドレスも今は憎く感じる。
このまま、パーティーなんて行かずに閉じ止めておきたいぐらい彼女に似合っているのだから。
「似合ってるよ。A」
心の内を表情に出さないように、僕を見つめる彼女に微笑む。
「ありがとう。グクがプレゼントしてくれたドレスが、とっても素敵だから似合わなかったらどうしようと思ったけど良かった」
頬を少し赤く染めてパッと花が咲いたように笑った彼女。
彼女は何処までも謙虚だ。
彼女が着るから、このドレスの良さが最大限引き出されているというのに。
ドレスやアクセサリーは彼女を引き立てる脇役でしかない。
「Aが着るから、このドレスがより引き立つんだよ。
このイヤリングもブレスレットも、それからこれも」
後ろからAの左手を取って結婚指輪を彼女の華奢な指に着け、そのまま彼女の手に自分の指を絡める。
鏡越しに絡まる視線と二人の薬指に輝く指輪。
彼女の薬指で輝く永遠を誓い合った証に僕が贈った物を全身に身を包んだ彼女に心が満たされる。
「綺麗だよ」
「ありがとうグク」
僕の言葉に唇に弧を描いた彼女の唇に引き寄せられるようにキスをした。
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さくら(プロフ) - Sanagi1618さん» パスワードを送りましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年7月5日 11時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
Sanagi1618(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。宜しければパスワードを教えていただけるでことは可能でしょうか? (2022年6月30日 23時) (レス) id: 772ebad025 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 柚さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - annalove4752さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - はじめまして。楽しくて一気に読ませていただきました。宜しければ続編のパスワードを教えていただけないでしょうか?よろしくお願いします。 (2022年6月26日 21時) (レス) @page50 id: 6c04f8286c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年1月3日 22時