突然の休日 ページ12
「お疲れ様。次の出番まで少し時間がありそうね」
撮影から戻ってきた私に気付いたユリさんがそう声をかける。
スタジオでは、先程撮り終わった物を最後に大きくセットを変えるようで、慌ただしくスタッフが動き回っている。
それをボーと見つめていると
「少し寝るといいわ。出番になったら起こしてあげるから」と心做し心配そうなユリさんの声が降ってくる。
日本に帰ってきてから、まともに眠れていない。
日本での仕事は短期間で集中して行うため、どうしてもタイトなスケジュールになる。数週間の滞在で作品を撮りつつ、合間でCM撮影など他の仕事も同時にこなす。
だから、せっかく日本に帰ってきたのに自由時間も殆どなく、寝る時間さえまともに取ることができない状態が続くことが多い。
今回も連日続くハードなスケジュールに追われ睡眠時間が少ない中、早朝からの撮影とあって気を抜くと睡魔が襲ってくるような状態に自分でも限界が近いと感じていたところだった私は有難く少し眠らせて貰うことに決め目を閉じる。
眠るに適していない簡易的な椅子も今は気にならないほどただただ眠い。
いつものようにイヤホンから響く心地よい彼の声を子守唄に眠りについた。
誰かに身体を軽く揺すられる感覚に夢から現実へと引き戻される。
まだ、眠っていたい。
そう思いながらも重たい瞼を開ける。
目の前に映るのは眠る前と全く別物になったセットと、着々と撮影の準備が進むスタジオ。
どうやら、それなりに時間が経っていたらしい。
「もうすぐ撮影が再開しそうよ。
どう?眠れた?」
まだ眠気は残っているものの幾分かスッキリしたような気がしないでもない。
「はい。少しスッキリしたような気がします」
そう言ったものの、まだ眠気が残る顔をしていたのか、「まだ眠そうね」とユリさんが苦笑いする。
「そんなに眠そうに見えますか?」
「ええ。でも。ほかの人には気付かれていないと思うわ」
そんな会話をユリさんとしつつ私は手元にあったスマホへと目を落とした。
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さくら(プロフ) - Sanagi1618さん» パスワードを送りましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年7月5日 11時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
Sanagi1618(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。宜しければパスワードを教えていただけるでことは可能でしょうか? (2022年6月30日 23時) (レス) id: 772ebad025 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 柚さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - annalove4752さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - はじめまして。楽しくて一気に読ませていただきました。宜しければ続編のパスワードを教えていただけないでしょうか?よろしくお願いします。 (2022年6月26日 21時) (レス) @page50 id: 6c04f8286c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年1月3日 22時