第209話ですよー ページ21
あ「...私に、買ってくれるの...?」
銀時「え、ああ...おう...」
あ「なんで...?」
銀時「そりゃあ、その」
ちょっと間があいてから、いつもより小さい声で話してくれた。
銀時「お前、俺の止血するために着物裂いただろ?隊服かその着物かでしか見たことないからよ...せっかくの私服ダメにしちまったの...詫びねェとなって...」
あ「...せっかく、
銀時「神楽と新八にもバーさんにもちゃんと払ったわ。まだ残ってっし」
あ「パチンコに使わなくていいの?」
銀時「優先順位ってもんがあるだろ、流石の俺も節操はある」
あ「...そっ、か」
銀時「...どうしたお前?なんかヤケに静かで遠慮気味だな」
本気で訝しげな声色に若干悲しくなる。ずっと着物に向けていた視線を、銀さんに移した。
あ「あの...真選組以外の男の人から、下心なしで贈り物されるの初めてで...」
すると銀さんは口角をひくつかせる。
銀時「お前の周りにはむさい男集団とゲスい野郎しかいないのね」
あ「だから、慣れないんだけど...嬉しい、です」
またちょっとの沈黙。...なんか変な事言ったかな。不安になってまた視線を下に落とすと、頭に重いものが乗せられた。そのままガシガシと撫でられて、それが銀さんの手だとわかる。
銀時「ありがたくもらっとけ」
あ「...うん!」
普通ならここでカッコよくお会計するんだろうけど、そんな憧れは抱いちゃいけない。
銀時「...ほんとにこれでいいの?」
あ「うん、これがいい」
銀時「...いやぁ、命懸けの買い物だな〜と」
あ「これがいい」
銀時「...そうか?」
なかなか踏み出さないのかこの男。マダオ。誰に怯えているのかは知らないけど。大串くんとか総一郎くんとかなんだろうけど。
あ「ほら、これ見る度に銀さんにもらったんだって思い出せるでしょ?ついでに銀さんのことも。いつ何処で誰が死ぬか分かんないからね〜。まあ、あれだよ、私の遺品になったら、銀さんに送りつけるねってやつ。それで私のこと思い出してくれるでしょ?」
...ちょっと重いかもしれないけど。
銀時「...一丁前に命散らす覚悟しやがって」
また乱雑に私の頭を撫でくり回すと、今度こそお会計に向かった。
...素敵なお金の使い方もできる人だなって、ちょっと見直した。
549人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
練紅龍(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 見事に私のやる気を叩き起こしておられます。ありがとうございます!沖田さん……沖田サァン……ご期待にそえるよう精進します! (6月7日 17時) (レス) @page28 id: 0cf84c7016 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 感想を毎回、すみません。あれ?オチは沖田さん?と考えが変わったところで次。原作沿いみたいなので、続き楽しみに読まさせていただきます。 (6月7日 11時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 和泉梓さん» ありがとうございます...時間作ってちょっとずつ、進めていきたいです...ありがとうございます...! (2020年6月13日 13時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
和泉梓 - 更新待ってます!頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: 451b0d7f40 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!ぼちぼち頑張っていこうと思いま...頑張っていきます...! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ