第162話ですよー ページ12
その場でできる限り飛び退いた。刀もなるべく遠くへ投げる。
残りの一瞬で鼓膜は守る努力をしようと、耳を塞ぐ。
この動作とほぼ同時に爆音が鳴り響き、続けて爆風、熱風が私を襲った。
丸くなって口を固く結んで。損傷が少ないように頑張ってみたけど、痛いものは痛い。
結構吹っ飛ばされて、転がって頭が丁度下にきた時に 背中をコンテナに強打した。
爆風諸々がおさまると、重力に従って 蹲る形で地面に膝をついた。
あ「...あ゛、あー...」
...よし。喉はやられてない。呼吸もまあ大丈夫だろう。器官もよし。
ふらりと立ち上がると、足と腕に違和感が。
あ「...まあ、火傷くらいしますよネ」
ブーツ...あれ溶けてる?
膝下のヒリヒリズキズキといったら...もう、産まれたての子鹿の如く震えてますよ。
腕は服は一応残ってるけど、皮膚は焼けたみたいだ。
ぐー。ぱー。
うん。左手動く。なら、いい。殺れる。
煙の中、火の粉を反射して光った私の刀を見つけ、左で握る。
.
車のエンジン音、近藤さんの土方さんと私を呼ぶ声...
...男の汚く笑う声。あいつよ、私らを撃ってきた人。
高さはコンテナの上。場所は...あっち。
迷わずその場所に刀を投げつける。
「ぐあっ」
あ「ドンピシャ〜」
少し血の味がする唇を舐める。
麻痺してきた足に鞭をうち、コンテナの上に飛び上がって刀を回収。
ちくしょー。痛えや。
少しだけそのまま走って、斬り合い中の男共の中心に飛び降りる。
...ああ、衝撃をまだ感じられる。まだ戦える。
あ「真選組一番隊副隊長、神田A...参る」
痛む身体は無視をして、眼前の奴に斬りかかった。
*
途中でものすごい爆音が聞こえたが、制圧は無事完了した。
途端に全身の力が抜ける。
近藤「!?おいボロボロじゃねーか!!しっかりしろ!!」
倒れる直前に近藤さんが受け止めてくれた。
あの、そこ、触ってるとこ、火傷痛いんですけど。
あ「...ちょっと、だけ...寝させて、くださ...」
自分の口だというのに言うことをきかなくて、最後まで喋れたかすらよくわかんない。
近藤さんが私の名前を呼ぶのが聞こえる。Aって。
真剣な時は、そうやって私のことを呼び捨てにしますよね。
心配してくれて、ありがとうございます。
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練紅龍(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんにちは。幼馴染たちと新参者たち(敵)どいつもこいつも腐れ縁やら因縁やらでつながれてます。ちゃんとそこまで書けるよう頑張ります……! (6月7日 17時) (レス) @page17 id: 0cf84c7016 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは。んー、武州組は兄弟って感じだからオチは高杉さんかカムイなのかな?なんて、また次を楽しみに今日は終わります。 (6月7日 2時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 焦凍さん» ありがとうございます!励みになります...遅筆ですが頑張ります! (2021年10月11日 8時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
焦凍 - めちゃくちゃ面白かったです!続きも楽しみにしています!! (2021年8月21日 2時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - みくるさん» やーありがとうございますー!コメントが燃料補給です...w今から書きますd (2019年2月7日 20時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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