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[閲覧注意]
よくない表現というか、ヤンデレじみたものがはいります。
ドSとはなんだろうか。
ーーーーーーー
音が鳴った方に目を向ければ、そこには席を立ったトントンが、描く手の形はコップ。
そのまま機械のように、視線を下に動かせばコップが無残に割られ、ココアが飛び散っていた。
絨毯の隙間に丁度良く落ちたそれは、悲しげな目をした私を写した。
ああ、でも絨毯にも飛んでる。
サッと思考を回し、落としてしまったであろうトントンに近寄る。
眠気ダラダラの彼に持たせるのは不味かったか。
手の形を作ったまま、カップに冷たい視線を向けたままの彼の手を握る。
怪我はしていないか、それから破片を片付け、拭き掃除を⋯
作業の流れを確認すれば、することが明確になり動きやすくなる。
棒立ちの彼を、なんとか目覚まさせようと、本来の目的を忘れ声をかける。
たしか、彼は立ち寝は出来なかったはずだ。
「ちょっ、、大丈夫!?」
「⋯」
小さく頷いた彼の顔は影が差したまま。
何か不要なことをしたんじゃないかと冷や汗がはしる。
怪我のもとである破片を取り除き、袋にしまう。
悲しいことに、塵取りなんて便利な道具はなく、素手でやった。
時折指先に触れるココアが余りに暖かくて、私が寝そうになった。
なんなら火傷いきの熱さだった。
袋を持って、雑巾をとりにいこうと私は体を持ち上げる。
持ち上げた途端、グラリと宙返りをしたとき並に視点が回った。
まじで鉄棒は嫌いだった。特にコウモリという技。
私は落ちるときの視界がどこを向いてるのか脳で処理できず、頭に血が登っていくタイプだった。
なんて走馬燈を見るかのように、昔を思い出す暇はなく私は絨毯の上を転けた。
んな、可愛いい表現では表せないほど、背中が痛くてしょうがない。
痛みに顔を顰めれば、何処からかトントンの声がする。
「何しとん、はや溢れてるもん舐めろや」
「⋯え、、」
私の頭を優しく撫でる彼は、優しくそれでいて強制力を感じさせる声色に私はプルプルと四つん這いのまま、溢れたココアに近寄る。
恐ろしい、ただこんなことを言う彼が疑問とか問う前に恐ろしかった。
何やってるんだろう、というかなんで私が飲むことになるんだ。
完全に彼に対して冷め始め、冷静な感情がなだれ込む。
怒りとかよりも、別れたいとか離れたいとか恐怖心の方が勝ったんだろう。
屈辱的なものを全て投げ捨て、逃げたいと動く足を抑え、ペットのように恐る恐るぺろりと床を舐めた。
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ピッピ168号 - さくらんぼ双子さん» そうなんですよ!うちの推しが輝いてる! 【結論】osは可愛い。 (2023年2月11日 20時) (レス) id: 220c7b8121 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - ピッピ168号さん» ありがとうございます!os先生のお話とっても良いですよね! (2023年2月11日 12時) (レス) id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - マジスコです。更新ファイトです!osが好きです! (2023年2月11日 8時) (レス) id: 220c7b8121 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 若草翠さん» ありがとうございます!!「ドS」がテーマという作者の性癖丸出しの企画でしたが⋯面白いと言っていただけ幸いですm(*_ _)m (2022年8月16日 12時) (レス) id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
若草翠(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年8月16日 12時) (レス) @page3 id: 5048ac8e22 (このIDを非表示/違反報告)
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