19 ページ20
.
家に着いたのは、なんだかんだで夜の9時。
今日は朝から撮影だったから、割と早い時間だ。
とりあえずシャワーを浴び、軽くお菓子をつまむ。
「お腹空いた……」
櫻井さんからのメールは、まだ来ない。
どこのお店なんだろう、とか、何時になるんだろう、とか考えながら、空腹を満たすように、お菓子を食べる。
……そういえば、一人暮らしを始めるまで、甘いものもあまり食べさせてもらえなかった。
その反動なのか、今はお菓子とかケーキとか、家にあったら食べてしまう。
「眠いし……お腹も空いたし……まだかな…」
このままいると、絶対に寝てしまう。
メール、来ないな……
寝落ちする寸前まで意識を手放した瞬間、スマホが鈍い音を立てて振動した。
慌ててスマホの画面を開くと、櫻井さんからのメールだった。
『これから迎えに行くから、住所教えて』
……え、住所？迎えに行く？
まさかの内容に混乱していると、今度は電話がかかってきた。
着信は……櫻井さんから。
……うわ、どうしよう。
でも、取らないことにはどうにもならないし……
恐る恐る、通話ボタンをタップする。
「も、もしもし」
『あ、Aさん？家どこ？タクシーでそっち向かうから、教えて』
「……あ、えっと…」
スーパーアイドルが私を迎えに来るなんて、意味がわからない。
……いや、そもそも、タレントがマネージャーを迎えに来るって、そこから意味がわからない。
そんな私の胸中など知るはずのない、櫻井さんの勢いに圧倒されて、思わず住所を言ってしまった。
どうやら近くのコンビニまで来てくれるというから、私は家でまたメールが来るのを待つことに。
……こんな展開、誰が想像しただろうか。
いや、誰も想像してなかった。
こんなことが起こるなんて、昨日の私に言ったら絶対びっくりするよ……
ほぼほぼ初対面の人に……ってマネージャーだけど、住所聞いて、タクシーで迎えに来るって。
ありえない出来事が多すぎて、頭がついていかない。
「……はあ」
私、そのうち考えすぎで死ぬかも。
そんな風に考えながら数十分経って、またスマホが振動した。
『着いたから、来て』
素っ気ない文面だけど、効率重視、って感じなのかな。
行くか……
昼間着ていたジャケットじゃなくて、2月下旬の寒さにも対応できるコートを羽織って、外に出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 344人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なの(プロフ) - なるちゃんさん» ありがとうございます！！移行しましたので、そちらでもよろしくお願いします〜！！ (2018年10月15日 20時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - 続きが気になる〜〜！更新待ってます！ (2018年10月15日 15時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - キル・ハーヴェイさん» 嬉しいコメント、本当にありがとうございます！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年10月4日 18時) (レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
キル・ハーヴェイ - 凄く面白いです！引き込まれてしまいました^^更新、頑張って下さい！ (2018年10月3日 21時) (レス) id: ae1f844f76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なの | 作成日時：2018年8月31日 0時
