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食事を終えて、レストランを出た。
雪の結晶が舞い始めた街を、二人で肩を並べて歩いていく。
やっぱり、贈り物というのは、贈る側も受け取る側も、嬉しくなるもので。
降ってくる雪を嬉しそうに見つめている彼女は、その雪よりも美しくて、眩い。
ふと、耳元に揺れている欠片に触れると、彼女は驚いたように俺の方を向いた。
｢……あ、ごめん、つい｣
｢ううん……嬉しいよ｣
そうやって、本当に嬉しそうな表情を見せる。
そして、彼女の首元から次の行き場に困った俺の手を取って、ぎゅっと繋いだ。
｢……たまにはこうやって歩いても、いい？｣
普段、どこかで周りの目を気にしてしまうせいか、外で手を繋いで歩くことが少ない。
……こんなことをしてくれるなんて、夢かと思ってしまうくらいで。
思わず目眩がした。
少し恥じらう彼女の手を一度ほどき、すぐに指と指を絡めて繋ぎ直した。
ぎゅっと握り返されるのを感じて、無意識に笑みが零れてしまう。
……クリスマスも、いいものかもしれない。
やっぱり、どこか特別な感じがして。
普段の自分なら、絶対にしないようなことも、なぜかできそうな気がした。
家路につく途中、手を繋いだまま、信号待ちで立ち止まる。
大通りからは外れているからか、周りを見回してみても、俺ら二人の他には、ほとんど人がいなかった。
俺の隣には、愛おしい人がいて。
幸せそうな表情をして、少し頬を赤くしながら、前を向いて微笑んでいる。
……俺は、その横顔に、そっと口づけをした。
驚いた表情を俺に向けた彼女は、さらに顔を紅く染めた。
｢……好きだよ。Aさん｣
俺がそう言うと、目を細めて、柔らかく笑った。
｢……私も｣
俺だけに向けてくれるその表情が、あまりにも綺麗で。
……俺は堪らず、彼女の唇を奪っていた。
｢……潤くん……っ！｣
｢ごめん、我慢できなかった｣
そう、耳元で囁いてやると、今度は耳まで真っ赤にして、青に変わった横断歩道を、俺の手を引っ張りながら歩いていく。
そんな後ろ姿さえ、愛おしくて。
________俺はまた、あなたに恋をしてしまったのかもしれない。
何度でも、恋をしている。
それは、この先もずっと続くだろう。
あなたと一緒にいる限り、俺は、あなたを幸せにするためだけに生きていく。
……だから、ずっと、一緒にいてくれますか？
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作者名：なの | 作成日時：2019年12月21日 0時
