嘘と花束【ARS】 Part4 (ページ16)

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炎天下の中、早速撮影が始まった。
5人で砂浜を走ったり、水を掛け合ったりして、楽しそうにはしゃぐ。

撮影をしているはずなのに、とっても自然体で、プライベートで遊びに来ているみたい。
それぞれの表情が、少年のように幼くて、あどけなくて、純粋な光に満ちていた。

スタッフさんたちもノリノリで、いいですね、と声をかけたり、おおっ、と驚いたり。
和やかで、楽しい撮影。

5人一緒の撮影自体は、息ぴったりなおかげで、1時間くらいで終わった。

「相葉ちゃん、あっついね～」

「うん。それに、これだけ海が綺麗だったら、泳ぎたくなっちゃうね」

大きなパラソルの下で、一旦休憩中。
同じ日陰に入った大野さんと相葉さんが、団扇で仰ぎながら、目を細めて海を見ていた。

「お疲れ様です」

「お、A」

後ろから声をかけてみると、二人はぱっと振り向いて、大野さんが、嬉しそうに微笑んだ。

「Aちゃん、暑くないの？カーディガンなんか着て……あ、女の子は紫外線は大敵なのか」

照りつける太陽と同じくらい明るく、そう言って、笑う相葉さん。
……こういうところが、人を和ませるんだろうな。
この二人の間には、とってもゆっくりとした時間が流れているみたい。

「リーダーは焼かなくていいの？」

「だって、あんまり黒いと怒られるもん」

と言いつつも、足は日差しの下にさらされていて、半分日光浴のようになっていた。
確かに、他の4人と比べると、大野さんは焼けている方なのかも。
メンバーによると、よく釣りに行くから、らしい。

「日焼け止めちゃんと塗っときなよ？じゃないと、またすぐ真っ赤になるんだから……｣

「ふふ、今日はね、塗ったよ」

「じゃ、大丈夫だね」

……何気ない、普通の会話のはずなのに、どうしてこんなに和むんだろう。
この2人は、話を聞いているだけでも面白い。

「Aも、ちゃんと日焼け止め塗ってね」

「はい。塗りますね」

こんなにご機嫌な笑顔の大野さんに言われたんじゃ、はい、と言う他ない。
私が返事をすると、満足そうに頷いた。

……なんか、可愛い。
ほわほわとした雰囲気っていうか……
癒し、なのかもしれないな。

「……私、3人の撮影の見学に行ってきますね」

「行ってらっしゃい。俺らの所も、後で来てね」

相葉さんが、にっこりと笑った。

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