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・ 宣戦布告(2) ページ12

「いなかった。
中也の異能を見てリイナが弾丸を撃った瞬間逃げ……

………ッ!まさかっ…!」


私は目を見開き立ち上がる。


異能を『見た』瞬間、奴らは逃げたのだ。



「そのまさかだよ。
彼らはマフィアではない。

そして、彼らの目的は
私たちの『異能』をこの目で確かめる事だ」


奴らの目的が私たちの異能───


「あのカメラは私たちを監視する為だろうね。どんな異能を使うか、それを見るために」


太宰さんが上の方に設置されている
カメラを見つめていた。


私は気づかなかったがどうやら中也と太宰さんは気づいていたらしい。


レンズには中也が浮かせたであろう
ダーツが綺麗に刺さり、カメラを再起不能にしている。


「太宰!な、なんで中也さんの異能を確かめる必要があるの!?
私、あの時異能使ってなかったし…」


リイナが焦るように太宰さんの顔を覗き込む

太宰さんは真面目な顔をして答えた。


「奴らの目的が異能力者だからだ。

リイナは聞いたことないようだけど…
中也は知ってるよね。

最近有名な『異能力者売買』の話。」


「あァ。
海外にいる『奴ら』のことだろ?

日本の有力な異能力者を誘拐して
海外で高額な値段で売りさばく、
裏社会で有名な話じゃねえか」





「そうそう。
そして『奴ら』の名前は…






《プリズナー》」


「囚人………」


「つまり中也が
プリズナーのターゲットってこと?」


確かに中也の強い異能ならば
高く売れる…奴らは目をつけるはずだ。

私の質問に太宰さんはひと呼吸置いて言う。


「それは違う。
奴らの目的はマフィア全体だ。」


「え……!?」


「組織内だけでも何人もの異能力者がいる。それ全員を売ってしまえばどれ程の額を得られるんだろうね」


太宰さんはガタッと立ち上がり、
カツカツと靴音を立てながら先程遊んでいたルーレットのもとに向かう。


当たり前だがあたりはしんとしている。


「マフィアを潰すからって、
そんなに力を持っているとは限らねぇ。


………おい待て、何故プリズナーは俺たちがカジノで密会すると知っていた」


中也がはっとしたように太宰さんに言う。


「……裏切り者がいるとでも言いたいの?」


太宰さんの変わりに私は答える。


「俺たちをここに連れてきたのは
紛れもなくマフィアだ。

……裏切り者がいる可能性は十分すぎるだろ」

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設定タグ:太宰治 , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:kana | 作成日時:2021年8月23日 20時

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