君の香りで僕らは息をする(3)（SN） (ページ42)

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(佐久間side)

俺は気になることがある。

Aがよくやる悲しそうな目。

なんでそんな悲しそうにするのかな。

悪いことじゃないのに。

｢でも俺知ってるよん。｣

(結城)『何を？』

｢Aの趣味はSnowManだってこと。｣

(結城)『…ん？』

｢SnowManにハマってんじゃん。

グループのためにめっちゃ考えてるの知ってるし、頑張ってるのも知ってる。

趣味とか別作んなくてもさ、極めることが出来るものって世界にありふれてるわけで、

Aが極めることができるのってSnowManじゃない？

SnowManのために頑張れてるんだから、いいんだよ。｣

(結城)『でもみんなは極めたものを強みにしてるじゃん。

それでお仕事もらってるのもあるし。』

｢今のグループのこと誰よりもわかってるのはAじゃん。

俺らが何して欲しいって思ってるのか、

俺らに対して何をするのがベストなのか全部わかってるっしょ？

それわかってるの多分Aだけだよ。｣

彼女はよく俺らを見てる。

自分自身のことは気付かないふりをするのに、

俺らのことになると一瞬で気づく。

だから気が利くし、要領がいい。

最短で俺らの求めてる所までたどり着く。

｢そういうところが、俺は羨ましいし、誇らしいよ。｣

(結城)『そうかな。』

｢そうだよ。それも立派な強みだから。

あんまり深く考えなくていいんだよ。

Aは充分やってんだよ。｣

(結城)『うん、ありがとう。』

こんなしみじみと話すの初めてかもなあ。

何となく照れくさいから

｢腹減ったな！なんか食べに行こうぜ！｣

盛大に誤魔化す。