鬼滅の刃~炎の弟子~第弐章【煉獄杏寿郎】

訃報 ページ23

ーーカァァァ!煉獄杏寿郎!上弦ノ参トノ戦イデ死亡!ーー


『……え、？』


布団を片付けていると、雅がそう言った。今、なんて言った?


師匠が、死んだ………？嘘だ。嘘、嘘、嘘。私は頭が真っ白になった。何も考えられなくなる。思考停止とはこのようなことを言うのか。

待って。ねぇ、待ってよ。嘘だって言って。冗談だって言って。私、まだ師匠に教わりたいこと沢山あるのに。

死んだなんて嘘。師匠。生きて帰って来るって約束したじゃないですか。


『し、しょう………っ!』


私はその場に崩れ落ちた。太陽は完全に登っていて、朝の優しい風が吹く。

足に力が入らない。立てない。師匠。


信じない。師匠が死んだなんて信じない。信じたくない。だって昨日、あんなに元気だったじゃない。

夜一緒に縁側で会話したでしょ?


それなのに、それなのに………っ!


師匠が、死んだ……?


『う、………あ、ぁぁぁぁぁっ!』

師匠が死んだなんて。どうしよう。


不「Aっ!」

宇「おい!A、しっかりしろ!」

『……っ、ハァッ、ハァッ』

目の前が暗転する。真っ暗になる。色が………見えない。


この声は、不死川さんと宇髄さん?何が起きてるの。私の体。


宇「っ、おい!不死川!胡蝶呼んでこい!」


不「言われなくても呼んでくる!」


誰かが走り去る音。何も見えない。何も聞こえない。


『…………っ、』


宇「おい!おい、しっかりしろ!Aっ!」


私の名前を呼ぶ、宇髄さんの声。それを最後に、私は意識を手放した。


師匠。

師匠………っ!


私、師匠が居ないと、生きていけないよ。

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