鬼滅の刃~炎の弟子~第弐章【煉獄杏寿郎】

畦道を行く ページ18

『…………、』


てくてく畦道を歩く。のどかな田園風景が続く。叫びたい。泣きたい。師匠とよく歩いたなぁ、この道。

振り返るな。前を向け。師匠は必ず帰って来る。生きて帰って来る。


『ししょーー………っ!』


胸が押しつぶされる。いつもの任務なら笑って見送るのに。なんで今回はこんなにも切ないの?


炭「あ、Aっ!」

伊「おーーっ!A子じゃねぇか!」

善「Aっ!泣いてるけど、どうしたの!?」


『ちょっと目にゴミが入っちゃって………。それより３人共、こんな時間にどうしたの?』


向こうからかまぼこ隊の３人が歩いてきた。どうやら３人は任務らしい。

『任務なんだ!頑張ってね!』

炭「あぁっ!ありがとう!」


善「行きたくないけどさぁぁぁっ!でも、Aから応援されたから頑張るよ!」


伊「ふん!言われなくてもわかってるわ!」

炭「そう言うAは?任務じゃないのか?」


『私はちょっと出稽古に』


そのあと３人と少し話しをして、私達は別れた。また１人になった。１人になると心細くなる。私はまた泣いてしまう。


炭次郎達に合って良かった。あのまま１人だったら、心が折れてしまいそうだから。

しばらく歩くと不死川邸が見えてきた。門の前には不死川さんが立っていた。

『これからよろしくお願いします』


不「あぁ。きっちり稽古してやるからな。覚悟しろよ」

『はい!』


後ろめたい気持ちになるな。不死川さんは私を強くするために稽古をつけてくださってるんだ。１週間頑張って、また師匠と任務に行くんだ。

チリン………

『っ、』

不死川邸の門をくぐった時、何処からか鈴の音が聞こえた。切なくなって、胸が苦しくなる。


チリン……

不「どうした?」

『………っ、いえ、なんでも、ありません』


あぁ。師匠。どうか、ご無事で。

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