鬼滅の刃~炎の弟子~第弐章【煉獄杏寿郎】

大事な話 ページ2

皆さんが帰り、私としのぶ様の二人きりになった。しのぶ様は相変わらず綺麗な優しい笑顔でこちらを見ている。

『あの、しのぶ様。お話しとは、一体………？』


帰らせたあと、大事な話しがあると言って部屋に残ったしのぶ様。ニッコリ、と効果音が美しい笑顔だ。

『しのぶ様?』

胡「すみません。貴女と二人きりでお話ししたかったので。舞い上がってしまいました。どうぞ、私のことは“さん”付けでお呼びください。Aちゃん」


め、女神がいる。

『それで、しのぶさん。お話しって……』

胡「Aちゃん。単刀直入に言いますね。貴女の今回の怪我、本来なら全治３週間なんです」

『え、全治３週間?でも私、５日で………』


胡「そう。貴女はそれを、たった５日で完治してしまった。細胞が驚くほどに早く回復したのです。心当たりはありませんか?」


『心、当たり………』


昔の記憶を呼び覚ます。そう言えば、私がまだ師匠と出会う前。そう………、家族と幸せに暮らしてた時、さとるを庇って熊に襲われたっけ。


その傷は父曰く深かったらしく、医者にみせたところ全治一ヶ月。でも私は、３日で完治させた。

胡「なるほど。そう言うことでしたか」

『あの。怪我が早く治るのは良くないことなんですか?』

胡「いいえ。良いことだと思いますよ。でもいつか必ず、貴女にしっぺ返しが来ます。それはいつかは分かりません。近いうちなのか、遠い未来なのか」

『しっぺ返し………』


胡「その、“しっぺ返し”が来ないようにするには、呼吸を鍛えることです。そう、全集中・常中です。今は煉獄さんは任務でいないので、戻って来るまで私が見ますね」

『はい!よろしくお願いします!』

全集中・常中。常に全集中をしなければいけない。“しっぺ返し”が来ないように、呼吸を鍛える。

もっと師匠に、近付くために。

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