プロローグ ページ2
俺の姉ちゃんは
『ありがとうございます!』
「今日も可愛いね〜、Aちゃん。俺と結婚しない?」
『しません!』
世にいう絶世の美女、というやつだ。
「羽田さん、また店長誑かしたんだって?」
「最低だよね」
『……』
その容姿端麗さで、姉ちゃんのことを好きになる男がたくさんいる。
その容姿端麗さで、姉ちゃんはずっと一人だ。
『はぁ……』
「姉ちゃん、また会社辞めちゃったの?」
『うん』
そういう姉ちゃんの顔はどこか儚げで
『ま、私が美人なのがいけないのかな?』
「強がんなよ、姉ちゃん」
『強がってないわよ!事実よ、じ・じ・つ♡』
相変わらず美しかった。
そんな姉ちゃんは今
『いかがでしょう?こちらのプランは佐伯様にぴったりだと思われます』
ラ・ブランシュという会社でウェディングプランナーとして働いている。
3ヶ月経った今も辞めずに頑張っている。
東郷「………」
「羽田さん、婚約者の相手とデキてるらしいよ?」
「えっ、まじ?最低な女ね」
『……はぁ、』
相変わらず変な噂はつくけど、この仕事にやりがいがあるらしい。
これはそんな絶世の美女である俺の姉ちゃんと
東郷「俺と結婚してくれ」
『良いですよ♡お金払ってくれるなら♡』
東郷「がめつい女だな」
ラ・ブランシュの社長・新田東郷さんの
東郷「俺はお前を信じてる」
愛のない物語だ。
142人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なな姫 | 作成日時:2023年6月2日 22時