救出劇�� ページ30
志「富士桜高原別荘地まであと６キロ………っ」
伊「志摩、無線いれる?」
志「あぁ、頼む!」
分駐所を出た俺達は、中央自動車道を経由し、山梨県道７０７号にいた。道路表示には、富士桜高原別荘地まで６キロと書いてある。
伊「こちら４０４。隊長、聞こえる?」
桔「こちら桔梗、どうしたの伊吹」
伊「今ねー、山梨県道７０７号にいます。目的地まであと６キロ。着いたらまた無線いれまーす」
桔「分かった」
無線を切る。分駐所からここまでノンストップで来た。
伊「志摩、運転変わろうか?」
志「大丈夫だ。問題ない」
伊「オッケー。……、あともう少し」
志「あともう少しだ」
俺はハンドルを強く握った。間に合え!と、隣の車線に黒のセダンが。
伊「……っ、志摩!」
志「乗ってる男が違う。あとナンバーも違うだろ」
伊「でも黒のセダンだ!」
志「黒のセダンはいくらでもいる!頼むから喋らないでくれ!」
伊「俺の勘がそう言ってんの!志摩ちゃん!」
志「…………、」
伊吹の真剣な目。チラッと横を見る。４０から５０くらいの中年の男性。口元を見ると電話しているのかしきりに動いている。
志「胎内洞窟入口を右折したら２キロで富士桜高原別荘地に着く。俺達は前に出て男の様子を見る」
伊「尾行しないんだね?」
志「あぁ、しない」
本当なら尾行すべきだろう。だがここは、自然に、普通に黒のセダンを追いかける。俺は胎内洞窟入口を右にウィンカーを出す。黒のセダンも右に出した。
志「相手は俺達を旅行者だと思ってる。伊吹、俺達は曲がり角を通り過ぎる。途中でUターンしてその場所を曲がる。良いな」
伊「りょーかい」
俺達は一本目の曲がり角を通り過ぎた。すると黒のセダンはそこを曲がった。
志「行った!」
伊「志摩、曲がった!」
志「オッケー!」
俺達も途中でUターンし、角を曲がる。そしてその通りをゆっくり進む。そこは一本道だった。一軒一軒、注意深く見ていく。
伊「志摩!志摩志摩志摩!あの家!黒のセダン!」
志「よしっ!」
もう少しだ。もう少しで、Aを助けられる。最後に顔を見たのはいつだ。早く顔をみたい。会って、抱き締めたい。
怖がらなくて良いから。
ごめん、守れなくて。あの時誓ったのに。
俺は黒のセダンが止まってる別荘の、少し先の空き地に車を止めた。
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蒼炎 - 初めまして、いつも楽しみに更新待っていました。続きがとても楽しみです！これからも更新よろしくお願いします！！ (2020年10月11日 0時) (
レス) id: 62727f5aad (このIDを非表示/違反報告)
emeraldgreen14(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに読んでいます。気になった文章がありました。【◯◯がここに来て２４日目。その間、◯◯は山下に暴行は加えなかった。】とありますが、恐らく、【山下は◯◯に〜】かなと思います。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 0828237cf9 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - コメントありがとうございます。全然気付きませんでした。直しておきます! (2020年9月28日 6時) (レス) id: 881b8f28f8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 物語一気に読んじゃいました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした。。。 (2020年9月28日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 嫌な予感のここの部分 ○○←名前のことを話してると、隊長が慌てて様子で入っ てきた。 これ正しくは隊長が慌てた様子でではないんでしょうか？ (2020年9月28日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ
| 作成日時：2020年9月20日 8時
