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『何故この人達を狙う?』
Aは鬼にそう問う。だが鬼はニヤリと笑うだけで何も言わなかった。鬼の後ろにはトミがいる。
『(………。ここで抜刀する訳にはいかない)』
鬼「お前……、あの鬼狩りの知り合いだな?」
『だったら何だ』
鬼「お前も……、俺の足の速さに付いてこれるかな?」
そう言い鬼はAの横をすり抜け、フクの後を追った。
『っ!!しまった!フクちゃん!!』
トミ「はぁ……」
『トミさん、大丈夫?』
鬼の後を追おうとするも、トミが腰を抜けて立てないでいた。
『(この気配……。煉獄さんが来てくれた……。フクちゃんはもう大丈夫だね)トミさん、立てますか?』
トミ「あ、ありがとう………」
トミの腰を支えながら、Aはゆっくり立ち上がらせる。と、空気が重くなった。ヒタ、ヒタ、ヒタ、と近付く足音。Aはトミを背にし、片膝を立てて座る。
鬼「やいババア………。さっきはよくもやってくれたな……」
トミ「あぁ……っ!!」
『トミさん。大丈夫。私の後ろに隠れててください』
鬼「お前に何が出来る?刀も抜けない弱虫が」
『貴方を斬るのは私じゃない』
Aがそう言うと、杏寿郎が鬼の背後に立った。鬼は後ろを振り向き、驚いた声をあげる。
鬼「一体……どうやって追い付きやがった……」
煉「過信するなと言ったはずだ」
鬼「試してみようじゃねぇか……。俺がこのババアと女の喉を掻き切るのが先か、お前が俺の頸を取るのが先か……」
『……』
試すには及ばない。
何故ならこの鬼は
煉「遅い!!!」
炎の呼吸
壱ノ型
不知火
『(さすが煉獄さん。鬼の頸を一撃なんて………)』
杏寿郎は鬼を斬ったあと、ゆっくりとした動作で刀を鞘に戻した。
『煉獄さん』
煉「A。大事ないか」
『はい。私はなんとも無いです』
煉「そうか」
杏寿郎はAの頭を優しく撫でる。するとトミが涙を流しながら話し出した。
トミ「貴方は、……救ってくださったのですね……2度も……」
フク「おばあちゃん?」
『(そうか。トミさんは煉獄さんのお父様に救けられたんだ。20年以上も前に………。煉獄さんがこの人達を救けたのは、”偶然“ではなく”必然“かもしれない……。なんて)』
煉「父と同じ様に、あなたをお守りできた事、光栄です」
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ななこ(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます!ドラマCDの胡蝶姉妹、良い話ですよね(泣)分かりました!書かせていただきます! (2022年1月31日 22時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
melody(プロフ) - はじめまして!読ませて頂きました。続きがとっても気になります。更新楽しみにしてますのでよろしくお願いします。 (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: 648912d438 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ドラマcdで胡蝶三姉妹のような宇髄家の過去の日常をリクエストします! (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: baa6bfc0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 月の舞さん» コメントありがとうございます!キメツ学園はいつか書こうかな、と思ってたので、番外編みたいな形で書かせていただきます!これからも応援よろしくお願いします! (2022年1月31日 19時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ななこさん» 無限列車編 終わりましたね…。いよいよ遊郭編か、楽しみです‼️リクエストいいですか?キメツ学園編も見てみたいなぁ〜。遊郭編の後でも構いません💦 更新頑張ってください‼️応援してます (2022年1月31日 12時) (レス) id: 6295bdffb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2022年1月12日 14時