16.4 ページ5
『フクちゃん』
フク「あ、さっきのお姉さん!」
Aは駅から出て来たフクと婦人に話しかけた。
『今日はもう店じまいなの?』
フク「うん!さっきのお兄さんがぜーんぶ買ってったから……」
『ふふ。そうだったね』
婦人「あの人は一緒じゃないのかい?」
『はい。今は別行動です』
“荷物持つよ”とフクにそう話すと、フクは持っていた荷物をAに渡した。
『お家はどこ?』
フク「そこの路地入ったところ!」
『………』
煉ーーA。俺が機関庫に行っている間、君はあの人達の事を見守っててほしい。夜道や朝の暗いうちは危ないから、目を離さぬようにーー
杏寿郎と別れる前に交わした言葉をAは思い出していた。一人で機関庫に行っている杏寿郎の事も心配だが、柱だから大丈夫だろう、と思うようにした。
『煉獄さんの鴉から連絡があったらお願いね、響』
肩に乗っている響の頭を優しく撫でる。響はカァと一鳴きし、夜空へと羽ばたいた。
フク「ただいま!」
女性「お帰り、フク。お母さん。………あら、貴方は?」
フクの家に入ると、そこには一人の女性がいた。女性はフクに似ており、妊娠中なのかお腹が大きい。
『私は旅の者です。訳あってフクちゃんに良くしてもらって……』
フク「そ、そうなの!この人道端で倒れてたの!それでお弁当を一つあげたのよ!」
女性「そうだったの。偉いわね、フク」
嘘も方便、とはこの事だとAは思った。Aとフクは目を合わせ微笑んだ。婦人の名は“トミ”と言い、女性はフクの母親の“サチ”と言った。
サチ「何もお構い出来なくてごめんなさいね」
『いえ。お気になさらず。……トミさん、明日はお弁当売りは何時からですか?』
トミ「え?……あぁ、明日は朝4時からだよ」
『それでは、私もご一緒します』
トミ「良いのかい?」
『えぇ。お弁当をくださったお礼ですから』
フク「私も行く!」
トミ「フク。朝の暗いうちは危ないから良いよ」
フク「行くったら行くの!Aお姉さんも一緒なんだから。……良いでしょ?」
フクのお願いに、トミはため息を吐いた。その様子をAは見つめた。
ー大正コソコソ噂話ーー
Aちゃんは普段は羽織を羽織らないのですが、今回はフクと行動する為、昨日のうちに白の羽織を調達しているよ!ちなみに刀は腰に差してるよ!
713人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななこ(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます!ドラマCDの胡蝶姉妹、良い話ですよね(泣)分かりました!書かせていただきます! (2022年1月31日 22時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
melody(プロフ) - はじめまして!読ませて頂きました。続きがとっても気になります。更新楽しみにしてますのでよろしくお願いします。 (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: 648912d438 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ドラマcdで胡蝶三姉妹のような宇髄家の過去の日常をリクエストします! (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: baa6bfc0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 月の舞さん» コメントありがとうございます!キメツ学園はいつか書こうかな、と思ってたので、番外編みたいな形で書かせていただきます!これからも応援よろしくお願いします! (2022年1月31日 19時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ななこさん» 無限列車編 終わりましたね…。いよいよ遊郭編か、楽しみです‼️リクエストいいですか?キメツ学園編も見てみたいなぁ〜。遊郭編の後でも構いません💦 更新頑張ってください‼️応援してます (2022年1月31日 12時) (レス) id: 6295bdffb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ななこ | 作成日時:2022年1月12日 14時