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コト、
『……、?』
Aが縁側で座っていると、横に湯呑が置かれた。
トミ「すまないねぇ。何もお構い出来なくて」
『いえ。お気になさらず』
トミ「これだけしかないけど………、ごめんなさいねぇ」
『ありがとうございます。有り難くいただきます』
Aは緑茶を一口飲み、ホッと一息ついた。それを見たトミは優しく笑う。
トミ「あの方とは、知り合いなのかい?」
『………あの方?』
トミ「さっき一緒にいた男の人さ。派手な髪の毛をした……」
『そうですね。彼は私の仕事仲間です。フクちゃんには申し訳ないと思ってます。……付かなくても良い嘘を付かせてしまったから……』
チラッとAの膝ですやすや眠るフクを見る。トミはAの横に腰掛け、ゆっくり語り出した。
トミ「……20年以上も前、フクの母親がまだ子供の時に、鬼に会ってね。その時救けてくださった“鬼狩り様”に姿がそっくりなんだよ」
『そうなんですか……』
トミ「あの時、あの若者を見た時私は驚いたよ。“こんな事があるのか”ってね」
『(だから煉獄さんを見た時、驚いた顔をしてたんだ)』
トミ「あの人にあったらお礼言っておいておくれ」
『分かりました。必ず伝えます』
“ありがとう”と言ってフクを起こさないように横抱きにし、トミはその場を離れた。
『………』
Aはしばらく縁側で月夜を見ていた。あれから杏寿郎からは音沙汰もなく、時間だけが過ぎてゆく。
ーー煉獄sideーー
機関庫に向かった杏寿郎だが、車掌が“整備工場に向かった”と言ったのでその整備工場へと走った杏寿郎。そこで鬼と遭遇し、鬼は子供を盾に杏寿郎が自分へ攻撃出来ぬようにしていた。
鬼と言い合いしていると、鬼が弁当売りの二人から買った牛鍋弁当をチラッと見る。
鬼「じゃあ弁当売りだ」
煉「俺とは関係のない人達だ!」
鬼「知り合いなんだろ?それ駅弁だろ?何処か分かるぜ」
杏寿郎が動こうとすると、鬼は子供を見せ、杏寿郎を動けなくしてしまう。
鬼「動くな」
煉「やはりお前は不愉快だ」
鬼「俺は愉快だ。助けたきゃ、俺より先に駅まで来るんだな。その前にこのガキを殺しておくとする!」
子供の胸に深く爪を刺す。
煉「っ、」
杏寿郎は素早く動き、鬼の両腕を斬り子供から切り離した。
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ななこ(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます!ドラマCDの胡蝶姉妹、良い話ですよね(泣)分かりました!書かせていただきます! (2022年1月31日 22時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
melody(プロフ) - はじめまして!読ませて頂きました。続きがとっても気になります。更新楽しみにしてますのでよろしくお願いします。 (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: 648912d438 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ドラマcdで胡蝶三姉妹のような宇髄家の過去の日常をリクエストします! (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: baa6bfc0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 月の舞さん» コメントありがとうございます!キメツ学園はいつか書こうかな、と思ってたので、番外編みたいな形で書かせていただきます!これからも応援よろしくお願いします! (2022年1月31日 19時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ななこさん» 無限列車編 終わりましたね…。いよいよ遊郭編か、楽しみです‼️リクエストいいですか?キメツ学園編も見てみたいなぁ〜。遊郭編の後でも構いません💦 更新頑張ってください‼️応援してます (2022年1月31日 12時) (レス) id: 6295bdffb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2022年1月12日 14時