41 ライラックの花束を（フジ14周年動画ネタバレアリ） ページ41
「フジ、紙落ちてたで。」
フルコンさんが紙を拾って取ってきてくれた。
「え？何…？これ…」
「いや、ジーフーさんが落としたんでしょ。」
かちょーが何言ってんの？と言うけれど…
「いや、紙…違う。」
俺が感じていた違和感は俺が用意していた紙と
この拾ってきてもらった紙の用紙が違うこと。
「え？あ、ホントだ。」
みかるくんもそれに気がついた。
紙を恐る恐る開くと
「ドアを見て…？」
文字を読むとバツンっと照明が消え、真っ暗になった。
「何何何？！」
ゆげぽがリアクションを取る。
スタジオのドアが音を立てて開き、
パッとライトがあたった。
「フジくん！」
何億回と聞いた俺を呼ぶ声に胸が熱くなった。
「14周年おめでとう！！」
スタジオの照明が全部付いて
見慣れたスタジオが戻ってきた。
「嘘〜？！」、「わ〜！」、「なんでぇ？！」
拍手と各々盛り上がる俺以外の4人。
そしてその目線の先には
何年経とうと尊敬し続けられる俺の相棒。
何も言葉が出てこなくて紙を手に持ったまま
棒立ちしていたのだが
先程までほとんど切れていたスイッチが入った。
「コハク…！」
彼女は後ろに手を置きながら微笑んでこちらに歩いてきた。
俺はフルコンさんに背を軽く押された。
それでちょうど両者の真ん中辺りで合った。
後ろに組んでいた手の中には花束が握られていた。
思わずマスクの上から手を当てる。
「んふふ、喜んでもらえてるようで良かった〜笑」
花束を彼女は手渡してくれた。
「当たり前じゃん…！目茶苦茶嬉しい！」
「改めて…おめでとう、フジくん。15年目もよろしくね。」
「こちらこそ、よろしくお願いします！」
ヤバい。とにかく幸せすぎる。
バンドのメンバー達は拍手をしている。
「いこっか。」
2人でメンバーの元へと戻った。
「成功やな。コハク。」
「そこ繋がってたの？！」
かちょーが驚いている。
「あ！紙持ってきたのフルコンさんだったよね？」
「ピンポーン！車で往生したのも知ってるで〜笑」
「すべてお見通しだったわけや笑」
ゆげぽがケラケラと笑う、
「翻訳してもらったから情報知らせてたけど〜笑」
男性が読み上げていた英文は
俺が日本語で書いたものをコハクが翻訳してくれたもの。
「なにはともあれ、フジくんおめでと〜！」
大好きに囲まれて。これからも俺は進んでいきます。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年6月14日 20時
